出版社内容情報
二千五百年の長きにわたり読み継がれ愛されてきた、孔子やその弟子たちの言行録。
簡潔・素朴でありながら深い含蓄のある言葉の数々には、生きる智恵が詰まっている。
中国古代史の大家である訳者が、新解釈を交えつつ、新注・古注に照らして懇切な解説を付した完訳版。
情味豊かな訳文や解説から、人間・孔子のありよう、弟子たちの豊かな個性が鮮明に浮かび上がる。
原文・読み下し付き。〈巻末エッセイ〉倉橋由美子
内容説明
二千五百年の長きにわたり読み継がれてきた、孔子やその弟子たちの言行録。簡潔・素朴でありながら深い含蓄のある言葉には、生きる智恵が詰まっている。新解釈を交えつつ、新注・古注に照らして懇切な解説を付した完訳版。情味あふれる訳文や解説が、人間・孔子のありよう、弟子たちの豊かな個性を鮮明にする。“巻末エッセイ”倉橋由美子。
目次
学而篇
為政篇
八〓篇
里仁篇
公冶長篇
雍也篇
述而篇
泰伯篇
子罕篇
郷党篇
先進篇
顔淵篇
子路篇
憲問篇
衛霊公篇
季氏篇
陽貨篇
微子篇
子張篇
堯曰篇
著者等紹介
貝塚茂樹[カイズカシゲキ]
1904年(明治37)東京生まれ。京都帝国大学文学部東洋史学科卒業。32年、東方文化学院京都研究所の研究員となる。中国古代史を専攻、甲骨文字や金文などの古代史料研究につとめる。49年に京都大学人文科学研究所教授、同年より所長。76年に文化功労者となり、84年には文化勲章を受章。87年(昭和62)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロビン
18
孔子が弟子や同時代の政治家たちとかわした問答をはじめとして、弟子たち同士の会話を編集した本ー『論語』の、貝塚茂樹訳である。巻末に索引が付き、丁寧な仕事がされている。貝塚先生の新解釈がいくつか出てくるのだが、まだ読み比べできていないため、その凄みが分からず申し訳ない感じであった。人を見て指導を変える一流の教育者であった孔子。教育の目的は単に技術を身に着けることや人に認められることではなく「君子になること」ー人格の完成にあるとするその思想は、優れた教育者に共通のもので、感銘を深くする。子路がとにかくカワイイ。2023/05/17
Francis
14
再読。やはり論語は中国の優れた古典であり、何度でも読んで理解を深めるべきだと感じた。「論語」を古臭い教条的な倫理だと考えるのはむしろ誤りであると思う。すでに孔子存命中から孔子教団の間に教条化の動きがあったのでそれはやむを得なかったとは思う。無理に難しく考えなくても言葉通りに虚心坦懐に読むことで孔子の伝えたかったことがよく分かるように感じた。2021/07/03
Francis
14
猫町俱楽部の課題本。「論語」は解説を書かれた倉橋由美子先生が言われる通り「修身の材料」のように思っていて敬遠していた。でも吉川幸次郎先生の「論語を読む」を読んで論語は面白そうだと思い、この本を購入。580頁もあるが貝塚茂樹先生は中国史の研究者らしくこの論語が書かれた時代背景を十分に考慮して訳されている。「論語」は平凡な言葉が多いが、それゆえに2000年間も中国・韓国・ベトナム・日本で愛されてきたことが理解できる。もっとも日本の論語理解は他の三国に比べると中途半端であるようだ。2021/04/17
いとう・しんご
11
50数年前に始めて読んだときは立派な箱に入った中公世界の名著版だったのです。そのヴァージョンで再読したいと購入しました。「これその不可なることを知りて、而もこれを為さんとする者か」(憲門40)と評される孔子は、実はラ・マンチャの男だったことを発見したり、貝塚先生の自由闊達な評釈も良い味を出しています。漢籍を巡って蓄積された様々な解釈学的試みを瞥見するという意味でも興味深かったです。2023/04/30