出版社内容情報
タミーにブルーにグレン……「川の光」の動物たちが大活躍! 一篇ごとに主人公も変われば作風も変わる、楽しい仕掛けに満ちた短篇集。『川の光 外伝』を改題。
松浦寿輝[マツウラヒサキ]
著・文・その他
内容説明
猫のブルー、ネズミのグレン、フクロウのルチア…今日もどこかで彼らが、にぎやかなドラマを繰り広げている!『川の光』の仲間たちが大活躍する、彩り豊かな短篇集。主人公が変われば作風も変わる、楽しい仕掛けに満ちた七篇が、あなたを「犬の木のした」の動物集会へと誘う。
著者等紹介
松浦寿輝[マツウラヒサキ]
1954年、東京都生まれ。詩人、小説家、批評家。88年に詩集『冬の本』で高見順賞、95年評論『エッフェル塔試論』で吉田秀和賞、2000年小説『花腐し』で芥川賞、05年『半島』で読売文学賞、15年『明治の表象空間』で毎日芸術賞、17年『名誉と恍惚』で谷崎潤一郎賞を受賞するなど、縦横の活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶち
86
『川の光』に登場した仲間たちが大活躍する短編集です。人間には解らない、人間とは違う、動物たち独自の観点や感覚をもって、彼らの視点から不思議で幻想的な世界を描いています。7つの物語の語り口調や雰囲気はそれぞれ異なります。月の光に魅せられた詩のようであったり、ロボットと怪獣の戦争を描いたSFのようであったり、冒険ファンタジーのようであったり......小惑星探査機 "はやぶさ" へのオマージュ的なお話し「孤独な炎」では、読んでいて切なくなり、"ぼくの生きたことの意味はあったよ" という言葉が胸に刺さりました。2019/08/08
ゆきち
62
外伝は、川の光に出てきた登場人物?登場動物たちや新たな動物が出てくる7つの連作短編です。その一つ、「孤独な炎」では、小惑星探査機「はやぶさ」への敬意や感謝を込めた物語でした。それは、起こりえないファンタジーの世界なのですが、読んでいるうちに「きっと、こんな想いで、はやぶさも地球の小さな生命のために頑張ってくれたんだなぁ」と感じました。作者の松浦氏が、とても楽しみながら、愛おしみながら書いたことがわかる優しいお話でした。きっと生きていること、繋がっていることなどを私たちに伝えたかったのだろうなと思えました。2018/07/22
のん
12
川の光の外伝で短編集。ちょっとファンタジーのような場面がでてきたり、戸惑いもありましたが、良かった。2019/06/15
不二子
3
川の光の世界に戻りたくて読んだけど... うーん... また違う世界でした。2019/03/15
みゃお
3
「川の光」外伝の短編集。 「孤独な炎」は、涙腺崩壊気味に。 あのはやぶさをこんな風に描かれるとは。。。 健気で愛おしくて。 生命賛歌といったらいいのだろうか。 何かに迷ったら この短編にかえろうか。2018/08/31