出版社内容情報
海と山の酒菜に、野バラのサンドウィッチ……。詩作のかたわら居酒屋を開き、酒の肴を調理してきた著者による、野性味あふれる食随筆。〈解説〉高山なおみ
内容説明
えびの天ぷらでうまいのは尻っぽ、鮭は頭、牛は舌。釣った岩魚の臓物を洗って串にさし、川べりで見つけた小さな山椒魚を丸飲みし…。詩作のかたわら居酒屋を開き、自ら酒の肴を調理してきた著者による、野性味あふれる異色の食随筆。
目次
花びらの味(贋紫式部;牛の舌 ほか)
酒菜のうた(前口上;海のひびき ほか)
わが酒(酒と盃;吉原紫雲荘 ほか)
山菜談義(料理寸感;母の舌 ほか)
著者等紹介
草野心平[クサノシンペイ]
1903年(明治36)、福島県生まれ。21年、中国・広東省広州の嶺南大学(現・中山大学)に留学し、詩作を始める。25年に帰国し、宮沢賢治らと同人誌『銅鑼』を創刊。貧困の中、新聞記者、焼鳥屋、出版社の校正係などで生活の糧を得ながら、詩や画など多彩な創作活動を続ける。35年には、中原中也らと現代詩の同人誌『歴程』を創刊。『定本 蛙』を中心とする一連の「蛙の詩」で49年度読売文学賞(詩歌部門)、『わが光太郎』で69年度読売文学賞(評論・伝記部門)を受賞。87年、文化勲章受章。88年(昭和63)、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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更夜
9
詩人、草野心平さんの食べ物に関するエッセイですが、とにかくワイルド。さんまは頭、骨、尻尾まで丸ごと、エビフライは尻尾まで食べる、尻尾を残す人がいると、それ下さいと言いそうになる。詩人だけでは生活できず、居酒屋「火の車」という店をやり料理もやられていた草野さんならではの独特の食のこだわりが興味深い。一番面白かったのは、山菜、野草のレシピ集「酒菜のうた」くちなしのつぼみの二杯酢、野の花をつんできてサンドイッチにして食べる。ちょっとした味噌の使い方・・・気取ることを嫌悪する武骨な無頼派な一面も垣間見られます。2018/10/12
niz001
8
初草野心平さん。酒の肴というか、B級グルメというか、ゲテ食というか、正統派の料理じゃないのが多くてイイ感じ。蟹が可愛い。高山なおみさん、がん漬け知らないんや。2017/11/27
uchiyama
2
本物の食べ物しか出てこない、という感じがしました。(かといって、今の、「本物じゃない」食べ物が悪いとは思いませんが。)2020/08/29
風斗碧
1
野の草や花びらの調理などはちょっと面白かったが、 途中「わが酒」からが草野節だ。 酔いに任せて縦横無尽、今で言えばヒンシュクのものの行動ばかりだが、 文字で読んでいる分には十二分に楽しい。 酔って自分の家が分からなくなっておまわりさんに案内して貰ったり、 お母さんが亡くなった葬式の場で万歳三唱してみたり、 飼っていた犬やネコの話から、食べる為に集めた沢蟹に同情して切なくなってしまう所とか、 酔うことも笑うことも泣くことも怒ることも、 生き方が全部まるっと詩人で愛嬌があるのだ。2020/07/29
あこ
1
酸辣湯麺の元が分かってびっくり。中国の食の歴史って壮絶なのだな。読みつつ、いつ頃の話なのか発行年を見てビックリ!そしてこの本に出てきた居酒屋さん(地元だった)がまだ存在していてさらにビックリ!食わず嫌いのわたしには、到底真似出来ないことばかり。2019/02/28
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