出版社内容情報
偶然出会った出張料理人・仁さんの才能と見た目に魅了された山田澄香、三十二歳。思い切って派遣を辞め、助手として働きだすが――。恋愛できない女子と寡黙なイケメン料理人、二人三脚のゆくえとは?カバーイラスト 八つ森佳『出張料理おりおり堂』を加筆修正のうえ、文庫化
内容説明
三二歳独身、派遣社員。婚活も人生も迷走中の山田澄香は、骨董店「おりおり堂」のカフェスペースで口にした料理の味と、料理人・橘仁の男ぶりに心を奪われる。折しも仁が助手を募集中と知り、訪問先で料理を提供する「出張料亭」を手伝うことに。恋愛が苦手な女と硬派すぎるイケメン料理人の二人三脚やいかに?『出張料理おりおり堂』改題。
著者等紹介
安田依央[ヤスダイオ]
大阪府生まれ。関西大学法学部政治学科卒業。2010年に『百狐狸斉放』で第二三回小説すばる新人賞を受賞し、11年に単行本『たぶらかし』として刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
49
初読み作家さん。香澄さんの恋する脳内妄想が爆走してて楽しかった。設定は好みだけど、お話の中の6月の花嫁のカノンの周りを振り回すわがままにはイラッときた。ただ澄香も仁も過去に何か闇を抱えていそうなので次巻も気になりました。出張料亭へのこだわりも気になるし。山椒とか生姜とか薬味をきかせる料理が特に美味しそうでした。生春巻きにサクランボソース、どんなお味だろう!?2020/03/25
ユメ
36
自らのことを「婚活ゾンビ」と卑下する主人公・澄香の消耗具合がいたたまれない。本心では望んでいない他人のジャッジに晒され続ける澄香のストレスを思うと息苦しく、彼女が「おりおり堂」で働くことになって安堵した。「おりおり堂」の料理人・仁に一目惚れして、でも彼に手が届くとは思えず、ゲームのような感覚で恋をする澄香。しかし、仁の料理を手伝ううち、澄香の心は少しずつほぐれてゆき、物語の最後でささやかな一歩を踏み出す。シリーズの続刊が出るようなので、彼女には美味しい料理を通して自分の殻を破り、幸せになってほしいと思う。2017/12/07
tomo
35
面白かった。 料理の小説でも一味違いました。出張料理人。お客様のキッチンを借りて料理をもてなす。ほほう。 しかもイケメン料理人 仁。澄香はひょんなことから助手になる。 桜子さんもステキな方ですね。 オネエキャラ3人組大好きです。 モンスターブライドの話が良かった。澄香の過去も、仁さんの過去も気になるな。この2人もどうなっていくのか。澄香 料理上達出来るといいね。2019/08/05
坂城 弥生
34
婚活をゾンビに例えるのなんかなるほどな、って思っちゃった。2023/12/02
うまる
27
【年末ゾンビフェア⑤】迷走中のOLとイケメン出張料理人の話。飯テロ系の本は数あるけど出張料理人の話は珍しく感じたので興味津々で読みました。料理がとても美味しそうだし、料理を通じて問題が解決する展開が良くできています。特に3話目の『モンスターブライド』が変わった切り口で面白かったです。硬派男ならではのズレとか、ニューハーフ軍団の濃ゆいキャラとか、コメディ要素もあって楽しく、登場人物の過去も気になるので、続巻にも手を出そうと思いました。2020/12/26
-
- 和書
- 物語のかげをのぞく