内容説明
三間坂という編集者と出会い、同じ怪談好きとして意気投合する作家の三津田。その縁で彼の実家の蔵から発見された「家」に関するいくつかの記述を読むことになる。だが、その五つの幽霊屋敷話は、人物、時代、内容などバラバラなはずなのに、奇妙な共通点が…。しかも、この話を読んだ者の「家」には、それが訪れるかもしれないらしい。最凶の「幽霊屋敷」怪談!
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
131
三津田さんの連作短編集のようです。5つの家に関する怪談のような話です。作家の三津田さんがそのファンであった編集者と出会い、これから提供された話を読んでそれがかなり怖い話となっています。バラバラの話が最後にどのようになるのか、ということでじっくり読ませて楽しませてくれました。いつも思うのですが、三津田さんの作品は昔の探偵小説のイメージがあります。2020/03/06
眠る山猫屋
81
こんな三津田作品が読みたかったんです。ふたつの怪異譚の朧気な共通点を探ってゆくうちに、更なる悪夢の迷宮に引き込まれてしまう・・・。ひとつ目の怪異の終わり方、怖すぎでしょ。アッサリがこんなにも恐いなんて。徐々に深まる恐怖が集結していく様、イヤ過ぎたかも。触れてはいけない、探してはなおいけない、その家だけは。2017/08/08
★Masako★
80
★★★✰︎ 幽霊屋敷シリーズ1作目。怪異譚好きの作家・三津田信三と編集者・三間坂の元に集まるべくして集まった五つの幽霊屋敷話。時代も場所もバラバラなのに、何か共通点がありそうで…。二人が調べていくうちにわかったこと。それは…。三津田さんだし、かなり期待して読んだ。確かにゾクゾクした。特に2話目の「割れ女」!でも思ったほどでは無かった。静まり返った夜中に読んだのに(笑) 謎解きの部分は面白かったけど、ちょっと残念。二作目に期待しよう♪まあでも、どこの家にも怖いものはいる、かもです(笑)2020/07/20
スカラベ
79
はっ、上の方でパラパラと何かが落ちるような音がして目が覚めた。いかんいかん、本を読み終わって寝落ちしてしまったようだ。なんだか怖い夢を見ていたような気もする。しかし、この本にある怪談実話は「残穢」との共通項も気になるところ。いくつもの現実が重なるようにして、この世の影に蠢く様々な「あれ」を暗示しているようでもある。座敷牢や204号室には絶対近づかないようにしよう。やはり作り物よりリアルが怖い。2017/07/28
キナコ
67
やっと読めたシリーズ1巻。複数の怪異を見てみると、どこか似かよっているのに、何が似ているのかはっきりとしない。何かに名称がないとこんなにも不安になるのかと思えた。当作者の作品はいつも考察が面白く、怪異を理論立てて解明していく様が魅力的。またシリーズを読み返したくなる。2024/04/28