内容説明
特攻隊隊長として赴任した加計呂麻島での出会い、不安と嫉妬で苦しみ心を病んでいく妻、奄美へ移住し重ねていく日々…。純文学の極北と称された島尾敏雄の諸作品から、妻ミホの姿を浮かび上がらせる文庫オリジナル編集。極限状態にありながらも、静かで時にユーモラスな表現の根底には、妻への新鮮な驚きと深い愛情がある。
目次
1 特攻隊長と島の娘(はまべのうた;出孤島記;出発は遂に訪れず)
2 夫婦という桎梏(帰巣者の憂鬱;鉄路に近く)
3 狂うひと(われ深きふちより;重い肩車)
4 島へ(妻への祈り;妻への祈り・補遺;廃址)
5 妻を見つめる(日の移ろい“抄録”)
著者等紹介
島尾敏雄[シマオトシオ]
1917(大正6)年、横浜に生まれる。40(昭和15)年九州帝国大学法文学部経済科に入学、のち文科に再入学。43年私家版『幼年記』を刊行。同年9月末繰り上げ卒業、10月海軍予備学生を志願、特攻隊隊長として加計呂麻基地で敗戦を迎える。61年「死の棘」で芸術選奨、77年『日の移ろい』で谷崎潤一郎賞、78年『死の棘』で読売文学賞・新潮日本文学大賞、85年『魚雷艇学生』で野間文芸賞を受賞。ほか著書多数。1986(昭和61)年没
梯久美子[カケハシクミコ]
ノンフィクション作家。1961年、熊本県に生まれる。北海道大学文学部卒業。編集者を経て文筆業に。『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』(新潮文庫)で第三七回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
fubuki
駄目男
rin