内容説明
自治都市時代の三百年間、政治・経済・文化各方面にわたって咲き誇ったイタリア。だが、宗教改革と反宗教改革を分水嶺にしてヨーロッパ史の主役から転落する。下巻では、ボルジア家の栄華や、ダ・ヴィンチ、ラファエッロを始めとする芸術家の活躍など、ルネサンスの最盛期から翳りまでを詳述する。
目次
イル・モーロとシャルル八世
サヴォナローラ
ボルジア家の人びと
ユリウス二世
レオ十世
統一世界の終焉
ウィクリフ
フス
エラスムス
ウィッテンベルグ 一五一七年〔ほか〕
著者等紹介
モンタネッリ,インドロ[モンタネッリ,インドロ]
1909年生まれ。ソルボンヌ大学法学部卒業。二十世紀イタリアを代表するジャーナリストであり著述家。2001年、死去
ジェルヴァーゾ,ロベルト[ジェルヴァーゾ,ロベルト]
1937年、ローマに生まれる。ジャーナリスト、作家、アフォリズム作家
藤沢道郎[フジサワミチオ]
1933年(昭和8)、京都生まれ。京都大学文学部卒業。桃山学院大学名誉教授。イタリア史、イタリア文学専攻。2001年(平成13)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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加納恭史
15
ジャーナリストが著者だから案外と読み易い。人物の列伝が主だがそれぞれのつながりも上手にまとめている。前巻は戦乱の教皇を巡るイタリアの諸都市の攻防。最後は傭兵に頼る諸都市。それが国力の衰退を招く。ローマのゲルマン傭兵がローマを衰退を招くのと同じか。下巻は分厚く重厚である。宗教改革もイタリアからドイツやボヘミアなどの周辺に。教皇もユリウス二世からレオ十世に教皇の腐敗も頂点に及ぶ。改革の嵐はウィクリフやフスからひどくなる。異端排斥もひどい。メインはルターの宗教改革の提言。ドイツ農民戦争も重なり三十年戦争となる。2024/11/23
スプリント
9
歴史の流れを記したパートと列伝が上手い具合に補完しあって理解が深まります。上巻以上に教皇の俗人っぷりが目につきます。 宗教改革側も異端審問と同じ暴力を使った排斥を繰り返していたことは歴史として記憶され続けることだと感じました。2017/01/09
ふぁきべ
8
著名なジャーナリストだったモンタネッリによるルネサンス史の下巻。L'Italia della Controriformaというタイトルは必ずしも正しくない。というのは、半分近い紙幅はイタリアの外で起きた反宗教改革、すなわち反カトリック運動とプロテスタントの勃興を描いているからだ。ルターも含め、あまり初期プロテスタントの運動家たちについて知らなかったので、大まかに知ることが出来てよかった。いずれにせよ、ローマ劫掠のところでは胃がむかつく。今でも美しいローマだが、2度の略奪がなければ違った姿をしてただろうに2017/04/20
Fumoh
4
下巻ではルネサンス後期の出来事を記していきます。ルネサンスの中心地となったイタリアですが、その古代教養の体現者となったレオ十世の代を過ぎた頃から、少しずつ斜陽の気配が漂ってきます。レオ十世はロレンツォ・イルマニーフィコの息子で、愚かなピエロとは違って「賢いジョバンニ」と評された、ルネサンス教養人の完成形のような人でした。しかしその晩年は幸せではなかった。領土的野心も持たず、芸術・学問保護の使命感に燃え、敵対派との平和的対話も辞さない、柔軟で開明的なレオ十世でしたが、ご存知免罪符を乱発して北方の問題児ルター2025/04/13
げんき
4
ルネサンスの基本的な歴史やイタリアの地理を頭に入れてから読むと一層おもしろい。著者の明確な反教権主義は対抗宗教改革の文脈では割り引いて読む必要があるだろうが、ルネサンス晩期〜終焉のイタリア史を初学者にわかりやすく説明しているという点で一級品であることは疑い得ない。2024/09/03
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