内容説明
十四~十六世紀、イタリアの混沌が生み出したエネルギーは天才たちを刺激し、古典文化の復興を成し遂げた。上巻では、ルネサンス初期の歴代教皇をめぐるイタリアとヨーロッパ諸国の確執を掘り下げ、さらに芸術的新時代を告げたドナテッロ、ボッカチオなど華やかなメディチ文化の担い手たちを活写する。
目次
ルネサンスとヒューマニズム
大帝の遺産
シチリアの晩鐘
イタリアの情勢
ボニファティウス八世
ハインリヒ七世
ダンテ
バビロニア捕囚
コーラ・ディ・リエンツォ
ペトラルカ〔ほか〕
著者等紹介
モンタネッリ,インドロ[モンタネッリ,インドロ]
1909年生まれ。ソルボンヌ大学法学部卒業。二十世紀イタリアを代表するジャーナリストであり著述家。2001年、死去
ジェルヴァーゾ,ロベルト[ジェルヴァーゾ,ロベルト]
1937年、ローマに生まれる。ジャーナリスト、作家、アフォリズム作家
藤沢道郎[フジサワミチオ]
1933年(昭和8)、京都生まれ。京都大学文学部卒業。桃山学院大学名誉教授。イタリア史、イタリア文学専攻。2001年(平成13)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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加納恭史
14
どうも歴史の解釈は難しい。温故知新と言われるが、歴史の解釈はまさにそうだな。共著者インドロ・モンタネッリ(1909~2001)とロベルト・ジェルヴァーゾ(1937~)は根っからのジャーナリストである。ハラリやアタリなどの歴史家より良いよいだ。共著者は真摯に歴史の真実に立ち向かっている。まず感心したのはダンテ・ペトラルカ・ボッカッチョの有名な三人についても良い分析のようだ。まずダンテの「神曲」は中世の終わりを告げた逸材である。続くペトラルカやボッカッチョは引き継ぎつつも世渡り上手や坊主批判で現代的である。2024/11/22
ふぁきべ
9
意外にもルネサンス期の歴史を概ねすべて扱った本を読むのは初めてかもしれない。著者の2人はいずれもジャーナリストのようで、アカデミズムを批判する立場にあるというが、彼らが本書の中で断定していることのうちのいくつかは根拠に乏しいものだったとしても不思議はない。とはいえ、読み物としては大変わかりやすく、面白かった。ダンテやペトラルカといった詩人たちに一つの章を費やして彼らの人生を描いているのはギボン的手法ともいえるかもしれない。古い本であることもあり、書かれていることが主流の意見であるとは到底言えないだろうが→2017/04/12
スプリント
8
ルネサンス期のイタリアの歴史本です。ヨーロッパ列強に侵食されていた時代のためフランス、ドイツを始め各国の歴史にも触れられています。 教皇の俗物っぷりが印象に残る時代ですね。2016/12/31
Fumoh
4
ジャーナリストである著者は、序文で「アカデミックな著述はしない」と宣言しており、これが一般大衆のための書であることを示しています。煩わしい学説の吟味などはせず、ちょっと主観多めの記述となっていますが、これは助かります。主観の比重が強すぎても良くないですが、元来歴史っていうのは主観的な説明です。客観性を担保しようとしたって、中途半端になるだけですし、煩わしい説明も増えるでしょう。ある程度主観を基にまとめてくれたほうが助かります。さて上巻では十三世紀~十五世紀末までの初期ルネサンスの出来事を見ていきます。2025/04/08
げんき
4
ルネサンスの基本的な歴史やイタリアの地理を頭に入れてから読むと一層おもしろい。歴史学の専門家の評価がどうなのかはさておき、ジャーナリスティックな視点からの人物評が飽きさせない。2024/09/03