中公文庫
大転換―脱成長社会へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 351p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122062689
  • NDC分類 304
  • Cコード C1133

内容説明

「文明の破綻としての経済危機」に再々襲われる不安定な世界にあって、本書はそれをもたらした理由を明確に示す。そのうえで「豊かさ」に関する価値観に転換を求め、「脱成長社会」への道を説いていく。グローバルな大競争時代において、破局を避ける方向を見いだすために、本書が説く論点は決定的に重要である。

目次

第1章 出口のない危機
第2章 ミクロとマクロの合理性
第3章 経済が「モデル」を失うとき
第4章 グローバリズムとは何か
第5章 ニヒリズムに陥るアメリカ
第6章 構造改革とは何だったのか
第7章 誤解されたケインズ主義
第8章 「脱成長経済」への道

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949(昭和24)年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任。雑誌『表現者』顧問。専攻は社会経済学・経済思想史。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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isao_key

11
2009年に出版され2016年に文庫化された本書は、主にアメリカと日本の1990年代以降の経済について分析するとともに、脱成長経済への指標を示している。その主張は今なお十分説得力があるし、今後に活かせる。最終8章で、脱成長社会の対策を8つ挙げている。その中で最後に「確かな判断力と総合的な知識を持った人材教育」を取り上げる。これには全く同感であるが、政府は国立大学の文系学部縮小、廃止の方向に動き、まさに逆行してしまっている。グローバライゼーションの中で利益を得るのは国家戦略であり、強い政府が要請されている。2017/02/12

マウンテンゴリラ

2
リーマンショックによる世界不況直後に書かれた経済・社会論と言えるものだが、決して、時局に合わせた後付けの理屈ということではなく、資本主義の根本に関わる大転換の必要性を説いたもので、大いに納得のいく内容であった。私自身は未だにリーマンショックの詳細や本質がほとんど理解できていないほどの経済音痴であるが、それが一時的な景気の波の一環であるとは、とても思えなかったのは確かであり、その漠然とした不安の本質を解明してもらえたという意味で、一種の満足感さえ覚えた。しかし事はそのような個人の納得感、満足感→(2)2021/07/21

Ryuji

2
★★★☆☆2009年に書かれた本で、2008年に起きた世界金融危機(リーマンショック)は何故起きたのか、今後社会はの進むべき方向はこうあるべきではないかいうこと書いた本。文化・伝統等や政治システム・成熟度が異なる国々を「グローバルスタンダード」の名のもとに経済的に統一することは無理があるという論は確かにその通りだと思った。90年代から、それまでの日本型の経済構造や企業経営が否定され始めたが(構造改革)、私自身はアメリカ標準が絶対とは思っていなかったのでこの本に書かれていることは概ね賛成できた。2017/03/17

ドクターK(仮)

2
2008年に発生した金融危機の要因を、ブッシュ政権以来の経済政策あるいは80年代から続いた新自由主義的改革といった短期、中期的な視点からだけでなく、西欧近代主義がもたらした文明的な危機という観点から捉えようとしている。目下の危機に対しては財政、金融政策を総動員して対処しなければならないのは当然だが、それだけでは問題を先送りすることにもなりかねない。長期的には、経済(そしてまた欲望)の無限の拡大、拡張を自明のものとしてきた我々の価値観を大転換しなければならないと著者は言う。2016/10/23

rumichang

1
佐伯啓思はいいぞ2016/09/07

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