出版社内容情報
ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者が、偏愛するピアノ作品四〇曲に寄せたエッセイ集。その音楽の先進性や東洋趣味まで、軽やかな文体で綴る。〈解説〉小沼純一
内容説明
ドビュッシーの作品を私たち日本人が弾くと、どこかなつかしい感じがする―。ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者が、偏愛するピアノ作品四〇曲に寄せたエッセイ集。その音楽の先進性や東洋趣味、そして演奏する喜びを、軽やかな文体で綴る。
目次
1(亜麻色の髪の乙女;沈める寺 ほか)
2(月の光;雨の庭 ほか)
3(カノープ;コンクールの小品 ほか)
4(音と香りは夕暮れの大気に漂う;八本指のための ほか)
著者等紹介
青柳いづみこ[アオヤギイズミコ]
ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。1989年、論文「ドビュッシーと世紀末の美学」により、フランス音楽の分野で初の学術博士号を受ける。90年、文化庁芸術祭賞受賞。演奏と執筆を両立させ、著書には『翼のはえた指評伝安川加壽子』(吉田秀和賞)、『青柳瑞穂の生涯』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『六本指のゴルトベルク』(講談社エッセイ賞)などがある。大阪音楽大学教授、日本ショパン協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
131
久しぶりの青柳さんの随筆です。ドビュッシー一色で私はそんなに多くの曲を聴いているわけではないのですが、この本を読んでいると聞きたくなる曲がかなり多くなります。ドビュッシーについては別の本でも書かれているのでかなり青柳さんは思い入れがあるのでしょうね。2016/06/11
Eee
40
初読みの方でした ピアニストの青柳さん ピアノに関する知識や ドビュッシーに関する知識がなくとも 楽しく読むことができました 西洋人と東洋人の感性の違いも垣間見える作品です この本を読みながらドビュッシーを聴きたいと思います2017/09/29
Tonex
34
ヤマハの会員情報誌に掲載されたもの+書き下ろし。毎回ドビュッシーのピアノ曲を1曲取り上げ、ドビュッシーの伝記的なエピソードやインスピレーションの元になった文学作品などの小ネタをおりまぜながら紹介するエッセイ集。▼そもそも取り上げられた曲も知らず、ピアノも弾かない人間が読んでもあまり理解できないが、すっきりした文章が心地よい。2016/03/20
胆石の騒めき
17
(★★★☆☆)ドビュッシーのピアノ作品に寄せたエッセイ集。その作品を聞きながら読み進めると、今までぼんやりとした印象であった作品が、生き生きとした意味を持つように感じられた。有名な「ベルガマスク組曲」の構成がもともと違ったとは…。今の4曲で良かった。「夢想」は題名通りの雰囲気を持つ曲で、よくリサイタルで取り上げられるけれど、本人の認識は「生活費かせぎ」の「わかりやすい作品」とのこと。本人の評価と、世間の評価とは異なるらしい。これは、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」に通じるエピソードだと思った。2018/09/24
苺畑序音
15
聴きながら読むとこの本の良さが増してくる。2016/11/28