内容説明
『雪国』『ゼロの焦点』から『赤毛のアン』まで、古今東西の名作一三二冊を最後の一文から読み解く、丸わかり文学案内。文豪たちの意外なエンディングのセンスをご覧あれ。
目次
1 青春の群像―失恋はする、悩みはつのる、すぐ死にたがる。青春ってやつはもう…。
2 女子の選択―恋愛、結婚、別離、自立。飾りじゃないのよ、人生のイベントは。
3 男子の生き方―虚勢を張る人、わが道を行く人、破滅に向かう人。とかく男の人生は…。
4 不思議な物語―幻想も妄想も文学の肥やし。大人のファンタジーは甘くないのだ。
5 子どもの時間―学ぶ子、遊ぶ子、働く子。みんな踏まれて大きくなった。
6 風土の研究―歩いてみなけりゃわからない。この国の人と自然と歴史と文化。
7 家族の行方―夫婦のいさかい、親子の争い、家計の破綻。どこのおうちも一皮むけば。
著者等紹介
斎藤美奈子[サイトウミナコ]
1956年新潟県生まれ。児童書等の編集者を経て、94年に文芸評論『妊娠小説』でデビュー。以後、各紙誌で文芸評論や書評を執筆。2002年『文章読本さん江』で、第一回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
70
着眼点がおもしろい。プレミアムも読んでみたい。この本の最後の一文はどんなのだろうと思っていたら、なるほどそう来たか。2016/12/24
がらくたどん
58
著者の「少女小説」考を読んだので。新聞連載が毎回楽しみだった書評コラムをまとめた本。名作というか「有名作」の最後の1文を肴に一杯やろう~じゃなくて、最後の1文から作品を振りかえってその肝を解説する趣向。「はじめに」の「お尻を出しても問題ない作品が名作」「本の話は読んだもの同士でした方が絶対面白い」旨にしきりに肯き、本を肴に一杯やりた~じゃなくて。著者略歴・ちょっとした蘊蓄も欄外に付記され、既読作品は確認したくなり未読作品は読みたくなる。少女小説考からはアンとジュディとピッピの「お尻」が採用されている。2022/10/28
しいたけ
57
「形はどうあれ、末尾にそれなりの思いが込められているのは疑いの余地がない」という。その渾身のラスト一文から名作を評論している。『途中まではロリコン小説、最後はボーイズラブ小説⁈大丈夫かな、この一高生』とは『伊豆の踊子』。斎藤さんの読み解き方が滅法面白かった。そして必然的にのしかかる、この本自体のラスト。あとがきでのラストと、文庫版のあとがきでのラストのニ文。言い訳したり、願ったり?の、やっぱり楽しい「お尻」だった。続編も読みたい。2016/03/05
佐島楓
51
名作の結びの文だけを取り出し読んでみよう、という趣向は面白いものの、失礼ながら滑っている感がある文章もあった。ネタバレが激しいのも気がかり。2016/04/16
Shun
25
このシリーズの2作目を先に読みましたが、こちら1作目はかなりメジャーな名作古典を集めた書評集です。選び方も現在文庫か新書で入手可能なものという基準なので、読みたい本は容易に手を出せそうです。名作の中で広く知れ渡っている一文があるとすれば、往々にして書き出しの一文であることが多い。しかし時代を超えて読まれている名作には、末尾の一文にもその魅力や懐の深さが窺えます。また本書の書評にて名作に限らずあらゆる小説の読み方やひいては作品の捉え方など、深読みするための読む技術も教わることができ大変満足のゆく内容でした。2020/01/16
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