内容説明
山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察は発表した。洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。日常をともに過ごす相手に対し芽生える疑い。三人のなかに、山神はいるのか?犯人を追う刑事が見た衝撃の結末とは!
著者等紹介
吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。97年、「最後の息子」で文學界新人賞を受賞、作家デビュー。2002年『パレード』で山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で芥川賞、07年『悪人』で毎日出版文化賞と大佛次郎賞、10年『横道世之介』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
811
何だか読みこなせなかったのでは、という自身の想いが強すぎて。何故、「怒り」という表題?どこへの、何への、「怒り」なんでしょう。これが不明のままに。動機は何なの、どの時点で殺人化するの。自身で読み切れてません。そうは言っても、後半にかけて、登場人物達のあがきの表現が、あまりに切実で身に沁みて堪えます。一度芽ばえた不審の念が、広がり強められていく成長の様子、胸が掻き毟られる感覚。信じて相手に裏切られ、信じずに自分を裏切ることとなる、何だか人って結局のところ、孤独でしかないんでは。胸中、さざ波がたったまま読了。2016/02/28
ミカママ
449
ヤラれた・・・吉田修一の筆力にノックアウト~。この作品をもって、私の中では彼は3人目の天才作家に格上げしようと思います。以上っ!(キリッ)2016/05/13
ehirano1
407
切ない、切なすぎる。しかし、希望は残りました(撃沈したヒトもいましたが・・・・・)、というか各々の主人公達は苦しんで苦しんで希望を自ら見出しましたね。この様に苦悩から逃げずに立ち向かい、倒れても立ち上がり新しい己を見出す姿は読んでいてホントに気持ちいいです。そして各々が各々のリスタートへ。頑張ってください!2017/07/09
yoshida
344
人を信じる事の深さ、大事さ、信じているが故の裏切りへの怒りを感じることができた。房総、東京、沖縄にいた正体不明の三人の男の真実が分かる。一人は多額の借金があり、名を変え債権者から身を隠していた。もう一人は心臓に疾患を持つ天涯孤独の男で持病で急死した。最後の一人が山神一也という悪魔だった。善人の仮面を被りながら人を殺し、助けてくれた少女の不幸を嘲笑う。山神一也を信じていた少年は、山神の少女への裏切りを知り、少女を守るため山神一也を殺す。愛子と田代に希望の灯りが見える。人間の生々しい感情を描いた名作と感じた。2016/04/12
コロンボ
331
山神一也の「怒り」は何に対するものかと、下巻を読み進めたが、結局、曖昧というか、ポイントはそこではなく、自分なりの解釈ではありますが、これは、信じることの難しさと最後まで信じ通すことができなかったそれぞれの自分に対する怒りを描き伝えようとしたものかなと思った。2016/05/22
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