内容説明
グローバリズムが恐るべき意味喪失を招く近未来状況を前に、現代リベラリズムの諸論議をも咀嚼しつつ、本書は規範や倫理について鋭く問い直していく。倫理意識を強く抱いた「自立した個人」はいかにして存在しうるか。この課題に向き合うとき、ナショナリズムの価値が再発見されるのだ。
目次
市場中心主義とその批判
第1章 「自由」と「平等」のゆくえ(中間層は解体したのか;「ポスト工業化」における倫理の変容;アフター・リベラリズムの倫理)
第2章 倫理を問う語法(倫理をめぐるアンビヴァレント;九〇年代グローバリズムの本質;リベラリズムの背後にあるもの)
第3章 グローバル資本主義の文化的矛盾(グローバル市場の「問題」;西欧近代主義の帰結としてのグローバリズム;グローバリズムの文化的次元;グローバリズムとニヒリズム)
第4章 倫理としてのナショナリズム(グローバル経済と国民国家;市場主義というイデオロギー;グローバリズムがもたらす社会の亀裂;シヴィック・ナショナリズムという自覚)
著者等紹介
佐伯啓思[サエキケイシ]
1949(昭和24)年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学、京都大学大学院教授などを歴任。雑誌『表現者』顧問。専攻は社会経済学・経済思想史。著書に『隠された思考』(サントリー学芸賞)『「アメリカニズム」の終焉』(東畑記念賞)『現代日本のリベラリズム』(読売論壇賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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