内容説明
大坂の闇社会を仕切る山村検校の追っ手から逃れて十年―。江戸に行き着いた新一は、按摩の傍ら再び殺し屋稼業に手を染めていた。地獄と隣り合わせの日々を過ごす新一だったが、ある依頼をきっかけに、失われた人生を取り戻すため立ち上がることを決意する!暗黒時代小説の傑作。
著者等紹介
富樫倫太郎[トガシリンタロウ]
1961年、北海道生まれ。98年に第四回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マサキ@灯れ松明の火
14
「闇の獄」から、10年…………新一は、再び闇社会で暗殺者として生きていた………彼に何があったのか?新一を慕っていた健吾と千代の兄妹は、どうなったのか?闇夜に生きる鴉は…光のある世界に戻れるのか?2017/11/01
TheWho
10
盲者の暗殺者の主人公を巡る時代絵巻で七篇の連作短編集。盲者の剣客で暗殺者と云う設定は、座頭市と必殺シリーズが合体した様な物語であった。設定もあるが、物語は主人公を中心に江戸の闇の世界を描写し、正にスパイ映画を観ている様なサスペンスと時代活劇が合体して劇的なストリーリを展開していく。そして暗い物語でありながら主人公の人間臭さが際立っていた。本書には、前作ある様でシリーズ物の趣もまた本書の魅力を倍増している様にも思えた。とにかく面白く一気読みの一冊でした。2017/03/02
ねぎまぐろ
1
★★★2023/06/23
ランクル一番
1
本書は「闇の獄」の続編である。江戸の盗賊、裏社会を描いた富樫作品は、「蟻地獄」「女郎蜘蛛」と読んできた。今回は短編7編から成り立っている。あるきっかけから、黒社会に拾われ、命の代わりに殺し屋として生きていくことを承諾させられ、目をつぶされた主人公は、生きていても夢や希望はなく、いつ殺されるかわからない状況の中、プロの殺し屋として、むなしく生きている。前回の「闇の獄」でも思ったが、さしたる説明もなく、むやみに強い主人公がなんとなく薄い気がしてならない。2015/12/04
みやきよ
0
このシリーズはおもしろい。セリフが多いのもあってあっという間に読み終えてしまう。それが残念でもある2016/11/07