内容説明
中山道を江戸へ向かう蒔坂左京大夫一行は、次々と難題に見舞われる。中山道の難所、自然との闘い、行列の道中行き合い、御本陣差し合い、御殿様の発熱…。さらに行列の中では御家乗っ取りの企てもめぐらされ―。到着が一日でも遅れることは御法度の参勤交代。果たして、一路は無事に江戸までの道中を導くことができるのか!
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
327
参勤道中を描く時代小説。うつけ者とされる御殿様を道中で討とうとする勢力が本格的に動き出す。御殿様が発熱したり、苦労が絶えない道中。下巻は小野寺一路よりも御殿様の方が目立っていたかな。一所懸命について、考えさせられた。滑稽譚のようだけど、読むのは、大変なところもありました。時代小説に強くなりたいなぁ。2015/06/14
修一朗
211
ひぐらし浅次郎って特別出演かよー,とか鯉の独り言だったり馬が会話したり,とかいろいろひねり技もあったけど,面白かった! やっぱりお殿様は名君だったっていう路線は守りつつの大団円で,それこそ江戸時代の「一所懸命」御殿様の矜持かくあるべし的な薀蓄要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれて最後まで楽しめました。人情時代小説はこうでなくちゃ、とばかりの浅田次郎流の木曽路旅ドラマでした。2016/03/04
KAZOO
199
やはり浅田さんの作品というのはいつも飽きさせないで楽しませてくれます。幕末のある藩の参勤交代に伴う様々な事件などがあり、この題名となっている主人公ばかりではなくここに参加している多くの人物が主人公といってもいいのでしょう。たぶん将来的には映画化されるのでしょうね。2016/11/18
ハサウェイ
187
主人公はあくまで御供頭の若き一路なんだが、各宿場町ごとに登場する人々が主人公的に扱われ、また心温まる物語となっている。やはり浅田さんらしく、心温まる物語の中にもユーモアを入れて楽しめる。あとがきにもある様に「一所懸命」について各登場人物毎に描かれおり、この言葉のとおり、自分自身の「一所」について考えさせられた。ドラマが始まってるので、是非観てみたい。別の本で「マラソン侍」の舞台とリンクしており、安中の遠駆けを再読したい。2015/08/14
やな
183
面白かった!みんなの一所懸命さが伝わってきた。物語の最後を馬のブチが閉めたのも良かった。爽快な読後感(^^♪2016/07/21