内容説明
高名な考古学者の妻と弟子が相次いで絞殺され、現場には古代文字「ペトログリフ」が残されていた。この文字について調査を任された警視庁捜査一課の碓氷弘一警部補は、専門家を訪ね歩くうちに最強の助っ人とめぐりあう。それは、考古学、民俗学、言語学に通じる不思議な外国人研究者、アルトマン教授だった。考古学界を揺るがす惨事について、いにしえの文字が伝えようとしている意味とは?刑事と学者、異色のコンビが、殺意の正体に迫る!警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズ第5弾。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道三笠市生まれ。78年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年には『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞した。「空手道今野塾」を主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
このシリーズ5作目は、ある大学の考古学の研究室がらみの事件です。殺人事件現場でペトログリフや楔形文字が残されてそれに関係する教授、准教授、講師、研究員などの生態が書かれています。今回は誤解が幾重にも重なった結果の事件ということでした。主人公の相棒となるのが他の大学の教授でアメリカ人の学者で、動きやすいように主人公も気を使います。それが自然なのがいいのでしょう。2019/03/29
のり
96
碓氷シリーズ第5弾。考古学教授の妻が絞殺され、現場には古代文字のぺトログリフが残されていた。犯人が残したものなのか?それとも…解明の為にぺトログリフに精通する「アルトマン」教授に協力を仰ぐ。その後、同じ考古学教室の講師が殺害され、またも謎の文字が…様々な視点・学術・宗教学が絡む難しさもあったが興味深かった。殺害に至る動機は単純なだけに痛ましい。2019/09/13
Rin
76
【図書館】今作はペトログリフ。この印が何を意味しているのか?それを知るために組んだ相手は外国人の考古学者。この人物がとても魅力的で、犯人を捜すよりも考古学者と相手の会話がとても面白い。文字というもの、シンボルというものについての解釈も興味深い。なによりも確認するということの大切さを再確認できた。噂や情報がたくさんある世の中で、惑わされずにいるためにも、人間関係のうえでも確認作業というのはおろそかにしてはいけないな、と痛感。事件捜査で碓氷さんが次にコンビを組む相手は誰なのか興味深いです。2017/04/30
TakaUP48
70
碓氷弘一刑事シリーズには、毎巻ゲストが登場するらしい。今回は、考古学教授の妻の他殺事件から始まる。連続する2件のの考古学者殺人の現場には、石や洞窟に刻まれるある種の絵文字のようなペトログリフが残されていた。何を意味するのか?お手上げ状態の刑事等の中で、碓氷に意味を調べろとの命令。回り回り、考古学者のアルトマン教授に辿り着く。積極的な教授と碓氷はペアとなり、事件解明に乗り出す。事件の影には、閉鎖的で師弟関係に縛られた大学の研究室体勢と、裏取りのない勘違いが事件を起こしたという。専門知識に、オイラもお手上げ!2023/01/01
忠犬じろレポ
54
学者が事件で活躍する小説は「ガリレオ」を思い浮かべますが、アルトマン教授の思考はガリレオとは、大分と違いましたね。誤解が殺人が2件も起こったわけで、殺された2人も、えらい迷惑だと思いますね。刑事と学者のペアは嫌いじゃないですね。まあまあ面白かったです。2016/11/19