内容説明
湖のほとりにある「お休み処・風弓亭」の三姉妹。次女の悠は女優を目指し、高校生の花映も外の世界に憧れ、一人長女の灯子だけが、生まれ育ったこの場所でいつまでも変わらぬ生活を望んでいた。ある日、姉妹の前に一人の青年が現れる。「運命を変える」出会いが、封じられた記憶を揺さぶって―大切な家族だからこそ、打ち明けられない秘密がある。人生の小さな分岐点を丹念に描き、心を静かにふるわせる傑作長編小説。
著者等紹介
青山七恵[アオヤマナナエ]
1983年埼玉県生まれ。筑波大学図書館情報専門学群卒業。2005年、大学在学中に書いた「窓の灯」で第四二回文藝賞を受賞しデビュー。07年「ひとり日和」で第一三六回芥川龍之介賞受賞。09年「かけら」で第35回川端康成文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
163
ハードカバーで読んで以来、3年半ぶりに文庫での再読です。人里離れた静かな湖畔に佇む食事処を営む三姉妹の話です。母親は三姉妹が幼い頃に家を出ていき、物静かな父親と静かに暮らしています。特に何がという大きなコトは起きませんが、淡々とした静かな描写が、ココロにとてもよく染み渡ります。家のコトも仕事のコトも、何もかも抱えこんで苦悩する長女「灯子」の姿に惹き付けられます。自由奔放で容姿端麗な次女「悠」は実家を離れ、女優を目指し上京すると伝え、高校生の三女「花映」は何やら秘密が。三姉妹それぞれの生き方に感動します。2020/01/19
らむり
51
最低な母親、最高の恋人。2014/12/26
coco夏ko10角
29
三姉妹ものの中でもかなりよかったし、今まで読んだ著作の中でもすごく好き。それぞれの話が丁寧に描かれているし、感情や自然の描写がとてもいい。特に淳次の言葉がぎゅうぅっときた。2017/03/31
KAN
26
ある大自然の中の湖畔近くの食堂というか喫茶店というか、三姉妹含む家族とその取り巻きの日常。家族全員が色々と思い悩み、ボタンを掛け違えたり、仲直りしたり、本音で話したりしながら進みます。この手の話し好きなんですよ。2018/01/05
kaoriction@本読み&感想 復活の途上
23
一番大事なことだから、大事な言葉だから、話せない、言えない。家族にだって秘密はある。いや、家族だからこそ抱えた秘密。姉妹だからこそ。親子だから、こそ。湖畔に暮らす三姉妹、突然現れた謎の青年、幼なじみ、姉妹と家族を捨てて出て行った母。それぞれの葛藤、生きる道標。湖畔の町のように静かな物語だ。だが、じわりと沁みいる。あったかもしれない人生じゃなくて、自分の人生を生きる ということ。一番大事なことは時間をかけてでもカタチにしよう。伝えよう。赦される時は来る。久しぶりの青山作品、今年のベスト5にはランクイン決定!2020/04/30
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