内容説明
若くして颯爽と文壇にデビューした山田美妙。美男で才気溢れるベストセラー作家は、なぜ文壇から忘れ去られることになったのか。生い立ち、家族、そしてそこから派生するさまざまなスキャンダルに絡め取られながらも、最後まで「書斎」という戦場で戦い続けた一途な文人の生涯を追う。
著者等紹介
嵐山光三郎[アラシヤマコウザブロウ]
1942(昭和17)年、静岡県生まれ。作家。平凡社『太陽』編集長を経て独立、執筆活動に専念する。88年『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。2000年『芭蕉の誘惑』で、JTB紀行文学大賞受賞。06年『悪党芭蕉』により泉鏡花文学賞、07年読売文学賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
62
一時代を築く文壇の豪の対照。短命なれど名声を得た紅葉と、長命なれど才能に埋もれた感の美妙。不器用な生き様に悲哀。戦友・紅葉ではなく、凸凹会時代に目にもかけなかったであろう漱石の活躍で、時代の変化を痛感した件は痛烈な皮肉。時勢を自認した瞬間。表題の決意表明も、自ら招いた泥沼に沈む。唯一の救いは、紅葉の友情ではなかろうか。表面上は冷めた関係も、しばらく続いた文通や、”再会”時の心情などに、美妙への思いが滲んでいる気がした。2017/09/28
キムチ
29
10年余り前か「美妙、消えた」を読んだのは。そもそも、名前から女性と思っていた程度の知識で。おでんのごった煮(レベルは遥かに上だけど)状態の明治文壇、そこに登場する人々のやっかみ嫉妬もないまぜにした喧騒の生臭さに唖然とした思いがあった。美妙より「一葉と稲舟」の女流のシノギに興味を持った。歌子女史の凄さは聴いていたけれど、大正、昭和、今日までも才能ある人々の持ち上げ引きずり降ろしは死地に赴かんばかりのの凄まじさ。筆者の筆が大好きな私、結構漁り読みしたが名人芸的な冴えは益々アップ。「消えていない」美妙が(続く2015/01/15
高橋 (犬塚)裕道
8
星2.5。明治の文学史、そこから消えてしまった才能を掘り起こしその人を擁護すると言ったところか?文体は私の知る嵐山光三郎らしくなく硬派だ。 内容的には興味はある。いかんせん私には読み辛かった。2018/03/22
しゅん
3
山田美妙の名前は聞いたことがあるが、どんな人かはほぼ知らなかった。才能がありながらも、 明治の文壇から、つまはじきにされ、失意の生涯を送った人。なかなか好かれにくい人だったのかも しれないが、それにしても残酷な話だ。家族のために稼画ざるを得ず、テクニックとしての斬新な文体を極めるも、コンテンツの深みが追い付かず…というところか。現代なら、様々な方面で才能を生かして、いくらでも成功したかもしれないが…。2020/08/17
駄目男
1
以前、児玉清さん司会の「ブック・レビュー」なる番組があったと思うが、それを毎週見ていた関係で初めてこの山田美妙という明治の作家のことを知った。 確か単行本で出た時は「美妙、消えた」というタイトルではなかったかと思うが、その名の通り、今日、山田美妙なる作家のことを知る人はまずあるまい。 私も彼の本を1冊も読んでいないのに伝記本だけは興味をそそられ今回、文庫化されたのを期に早速購入。 山田美妙という人がどういう人だったか、果たしてそこまで叩かれなければならないような人物だったか私には判断し兼ねる。2014/09/30
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