内容説明
「待つ」ときめき、母と子、父と娘、失恋、桜の歌…一つのテーマに三首ずつ、意中の一八六首。自由に柔軟に、歌そのものが語り出す―
目次
君との距離
家族がたいせつ
老親をどう看取るか
男尊女卑に怒る太股
給料ふたつ―共働き
乳房の歌
子供の無い夫婦は
わが子は一人―夭逝の子
嫁はよそ者か
メシの炊ける男〔ほか〕
著者等紹介
河野裕子[カワノユウコ]
1946(昭和21)年、熊本県に生まれる。歌人。京都女子大学卒業。在学中に角川短歌賞を受賞。「コスモス」短歌会を経て、90年に「塔」短歌会に入会。2008年から宮中歌会始詠進歌選者。10(平成22)年8月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
June
28
図書館の棚にあったので手に取った。京都新聞に連載された河野裕子さんによる短歌の紹介を纏めたもの。様々な詠み手を取り上げ、自らの歌も紹介している。家族の歌が多い。身近な人の死をきっかけに、初めて歌を詠み、何十年も作歌し続ける人も少なくない。人生を重ねるほど心に沁みてくる歌もある。印象に残った歌をコメント欄に。2014/12/01
双海(ふたみ)
12
日常だと思っていたあなたのいる風景がふと愛おしくなる。「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」(小野茂樹)こういう歌こそ残したいね。作者は34歳で交通事故により亡くなったという。一歳の女児が残された。2019/08/30
てくてく
7
河野さんらしい歌の選び方と、読み方を楽しみました。2019/04/29
はち
6
文庫とは言え、すでに亡くなった人の新刊を読むのは不思議なものである。20年ほど前京都の新聞で連載された短歌エッセイとも呼べる作品。女性の立場から選ばれた歌が多く、今読むと古臭く感じられる歌もあってとっつきにくいところもあるが、やはり短歌っていいなぁ、と。もはや伝説的、神話的存在になってしまってるよな。2014/07/31
ひろ
2
様々なテーマに合わせて選者のエッセイが心地よくまた 歌人の読み方に 一層大事な歌が増えた。読みたい本が多すぎて 駆け足なので 折に触れ読みたい。2023/03/21
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- 洋書
- Missing