出版社内容情報
繁華街で相次いで発生した通り魔殺人事件で、警察は誤認逮捕を繰り返す。警視庁捜査一課・碓氷弘一は心理調査官・藤森紗英を相棒に巧妙な「犯人すり替え」トリックの真相に迫る。
内容説明
渋谷・新宿で発生した連続通り魔殺人事件。なぜか誤認逮捕が繰り返される事態を解明すべく警察庁から送り込まれたのは、心理調査官・藤森紗英だった。苦手な美人と組まされる羽目になった碓氷警部補は戸惑うが、紗英の助言によって、巧妙な「犯人すり替え」のトリックが潜んでいることがわかる。はたしてこの異色コンビは真犯人を探し出し、惨事を食い止めることができるのか。警察小説の第一人者が贈る「碓氷弘一シリーズ」第四弾。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年、北海道三笠市生まれ。78年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年には『果断隠蔽捜査2』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞した。空手の源流を追求する、「空手道今野塾」を主宰する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
118
この碓氷刑事シリーズ4作目です。今回はやっとこの主人公刑事がずうっと出てきますがやはり相棒となる女性の心理調査官が事件のカギを説いていくような感じです。渋谷と新宿で起きた通り魔事件での犯人逮捕の協力者がいるもののほとんど何も覚えていないということで事件がどのようなことになっていくか楽しめました。2作と3作で少しがっくり来たのですがもとに戻ったような気がしました。2019/03/22
のり
98
警部補に昇格した「碓氷」のシリーズ4弾。連続通り魔事件が発生するが、犯人と思われる人物は協力者の元で現行犯逮捕されたが犯行を否認。どの現場でも謎の協力者がいたが、不思議と警察官達の記憶には人着すら思い出せない。警察庁から来た心理調査官の「紗英」と組んだ碓氷は戸惑いながら姿が見えない犯人を追う。犯人の狙い、心理戦を制しトリックを暴く。このコンビにまた会いたい。2019/08/12
ノンケ女医長
80
都会で起きた殺傷事件で緊急逮捕。その協力者を、地域課職員が誰一人として思い出せない異常事態。警察庁刑事局からやってきた美しい心理調査官が、凄まじい活躍を見せる。客観的証拠のないプロファイリングだと揶揄されたり、衆人環視で嫌がらせする警察官にも怯まない。犯人像と事件を分析し、捜査本部へ助言を重ねる姿は、実に優美。解決のご褒美に、フレンチやイタリアンでなく、てんぷらそばをリクエストした気心は、もはや満点。設定に無理があると何度も思うのに、著者の相当な警察愛によって、ため息とともに豊かな気持ちになった。2024/11/09
ハゲおやじ
60
違う作者を読もうと思っていたのに 読む。碓氷弘一シリーズ4作目。なぜか読んじゃうって、主役?の碓氷が 特殊な能力で バリバリ犯罪を解決しちゃうと言ったスゲェ奴じゃないところかもしれない(御都合主義はあるけどね)。本当にコイツのシリーズなのか?って思えちゃう位の脇役感満載。でも、今回は碓氷の家庭が出てきて なぜかホッとした(奥さんがエライ!)。そうそう、今回の主役?は 藤森だけど ”実はコイツが犯人”ってドンデン返しがあるかも?って思っていたけど…。このシリーズは、まだ1作あるから どーしよう…。2018/07/28
yumiDON
52
何となく手に取ったら、シリーズ4作目でした。ただ、全く問題なく読了。連続する通り魔事件、どの事件も犯人は現行犯逮捕されたのに、奇妙な符号がある。犯人逮捕に協力した民間人の顔を誰も思い出せない。若い女性の心理的捜査官と組むことになった碓水、彼女の説をほとんどの刑事は信じないが…!?警察もので、おじさんと若い女性というコンビはすごく珍しいと思う。火サスとかだと、二人が不倫関係におちいりがちだが、ちゃんとクールに活躍します。安心の今野ブランド。2016/08/28