出版社内容情報
明治七年、前参議の江藤新平は佐賀の乱の首謀者として斬首された──彼はなぜ栄光の座を捨てて下野したのか。その真相に迫る長篇
内容説明
明治7年、初代司法卿の江藤新平は「佐賀の乱」の首謀者として、佐賀裁判所で死刑判決を受け、即日、斬首された。彼はなぜ栄光の座を捨てて下野したのか。司法権の独立に辣腕をふるって、法の正義を貫いた江藤新平は、薩長勢力と対立して悲劇的な最期を迎える。司法と行政の権限争いの視点から描く裁判小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
誰かのプリン
18
佐賀の士族反乱を領導した国賊として処刑・梟首されるまでの経緯を小説にした一冊だと思いきや、なんとそれは前半だけで、残りは京都府庁と京都司法裁判所の職掌争いによる裁判についての内容でした。少し、いや大分がっかりしましたが読みがいはありました。 でも 途中お腹一杯になりましたが!2017/07/02
雛子
5
江藤新平の足跡を描いていくのかと思って読み始めたら、京都の豪商である小野組からの訴えに端を発する司法省管轄の京都裁判所VS京都府という感じで話が進んでいった。テーマが見えてくるまで正直とまどったけど、作者の描きたいことが見えてきてからは面白くなってきた。司法と行政が対立なんて、よくよく考えると怖いことだな、と。そして、相変わらずちらちら登場する大久保さんの描かれ方はかなり冷徹。参考文献、読みたいものがいくつか。2011/08/22
figaro
4
江藤新平は、渋沢栄一によって司法卿としては適任でないと評価されている。西洋流の三権分立や司法権の独立を実現するのに急すぎ、現場がついていけないというのがその趣旨である。著者は、江藤新平の下野は征韓論に敗れたからではなく、小野組転籍拒否事件がエスカレートした結果であると説く。多額の国家予算を投じて裁判所を設置したは良いが、越訴で咎められるのを恐れた人々は誰も裁判所の門を叩かない。新次郎魚代金渋事件など、府庁が訴えを聴聞したことに対して、裁判所が当事者を呼んで叱責しているなど、現代では笑い話のようでもある。2026/06/23
Ryuka
1
文は難しそうでしたが、ゆっくり読めば理解でき、次が・真相が気になって、一気に読めてしまいました。 最期が初めに描かれており、どういうことかと動揺しました。この本の内容は、江藤新平の経緯が描かれているものではなく、小野組転籍拒否事件から始まり様々な事件と絡んでいたり関わってきたりする、司法と行政の権限争いでした。それが江藤新平とどう関わっていくのか…。衝撃の真実に、言葉もありませんでした。今までの見識を、大いに覆されました。巷に出ている江藤新平の経緯を見られてから読むと、面白く読めるかと思います!2014/02/20
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