出版社内容情報
氷雪舞う皇国北端に帝国軍怒濤の侵攻が。壊走する皇国軍の殿軍を担う兵站将校・新城中尉の戦いは!? 真の「救国の英雄」の意義を問う大河戦記、堂々開幕!
内容説明
氷雪舞う皇国北端の地に、鋼鉄の奔流が押し寄せた。圧倒的軍事力を誇る帝国軍怒涛の進撃に、皇国軍は為す術もなく潰走する。殿軍を担う兵站将校・新城直衛中尉は、死力を尽くして猛攻に立ち向かうが―!?真の「救国の英雄」の意義を問う大河戦記、開幕!書き下ろし短篇「観光資源」を収録。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年、石川県生まれ。戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開く。コミックの原作も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nins
36
最初から一気に読ませる独特の世界観が魅力の架空戦記小説。ずーっと文庫化を待ち望んていた作品がようやく発売。文庫版はプラス書下ろし短篇もあって一度で二度美味しい内容。皇国軍の兵站将校である新城直衛中尉は、圧倒的な大軍で進行する帝国軍に対して撤退戦の殿を務める。負け戦からのスタート。どんな状況も非人道的な行動もすべてを飲み込んで行動に移す。剣牙虎や天龍、導術、大協約世界のといったファンタジー要素も含みながらも、圧倒的描写で巧く含みこむ。細かな設定から戦術作戦まで目が離せない。次の巻も楽しみ。2013/05/29
アイゼナハ@灯れ松明の火
29
『そういう軍隊なのでしょう。上の無能を下が補うという類の』ノベルズ版を読んでいるので再読ですが,架空世界を舞台にした戦記物としてやはり相当に面白い。侵攻してきた〈帝国〉東方辺境鎮定軍に,天狼会戦において手もなく捻られた〈皇国〉北領鎮台。後衛を担うはリアリストにして偽悪家(と思いたい)の戦争屋,敗走戦のさなか中隊本部付兵站将校から大隊長に進んだ新城直衛率いる独立捜索剣虎兵第11大隊。第1巻は絶望的な環境下で,打てる限りの手を尽くす彼らの前に更なる衝撃が走る苗川防衛戦前半まで。何と,書き下ろし短篇つきです。2013/05/26
hnzwd
21
皇国の本土防衛戦を描いたシリーズ第一巻。悪化を辿る戦況の中で殿を務める主人公率いる小隊。ここに来ての文庫化、、十二国記と同じく新作の予感⁉2013/06/18
モルツ
20
架空戦記の金字塔ここにあり。帝国軍に敗れ、撤退戦を行う皇国軍。絶望的な戦況で部隊を指揮する新城直衛があらゆる手を使って大軍に対抗する痛快戦記ものです。龍やサーベルタイガーが出てくるファンタジーながら、実にリアリティのある戦いが繰り広げられるのが本書の魅力。私は漫画版から入ったので、未読の方はそちらがおすすめ。興奮して読む手が止まらないこと請け合いです。2014/01/04
ぺぱごじら
19
ノベルス版で何度も読んでいるお気に入り作品だけど、文庫化に伴い加筆修正があったというし、番外の短編も入ってるというので購入。細々した加筆修正があったのは本当だけど、肝心の名前違いとかはそのままで(苦笑)、編集仕事しろ、と。戦闘概略図や地図、皇国・帝国の組織図は大きくなってやや見やすいかな、と。短編はコアなファン向けですね。面白い作品だから文庫化は歓迎だけど、ならちゃんとせえと珍しく辛いことを書いてみる(苦笑)。2013-1702013/11/03