内容説明
三井、三菱、住友など財閥が勃興し、古河市兵衛や大倉喜八郎ら政商が活躍した明治を経て、大正昭和の大衆化の時代に消費者本位のビジネスを展開した小林一三、松下幸之助、本田宗一郎まで、大変動の時代をビジネス・チャンスと捉え時代を先どりした経営者たち。彼らの手腕と発想はどう培われたのか。
目次
プロローグ 経済発展と企業家
1 江戸から明治へ
2 三井・住友・鴻池の危機と打開
3 政商たちの時代
4 会社制度・財閥と雇用経営者
5 大衆本位事業の時代
著者等紹介
宮本又郎[ミヤモトマタオ]
1943年、福岡市生まれ。神戸大学大学院経済学研究科修士課程修了。大阪大学経済学部長、関西学院大学大学院経営戦略研究科教授を経て、大阪大学名誉教授、関西学院大学と大阪経済大学客員教授、経済学博士。88年、『近世日本の市場経済―大坂米市場分析』(有斐閣)で日経経済図書文化賞、89年に同書によりNIRA政策研究・東畑記念賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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熱東風(あちこち)
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近現代史の政治や経済についての本はそれなりに読んできたが、経営については殆ど読んでこなかったので、新たな視点で読めて新鮮だった。三井や住友といった歴史のある会社については詳しく、阪急やホンダ、松下などの比較的新興企業については短めに述べていて、その辺りのバランスもいい。最後に年表も付いているので、企業ごとの『縦』の歴史と同時に、時代を追いながらの『横』の相関関係も分かりやすい親切な作りとなっている。2014/01/01
スプリント
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幕末から戦後まで裸一貫で会社を立ち上げた経営者から名家に生まれながらも革新的な事業を立ち上げた経営者まで幅広く網羅されています。幕末から維新にかけてはゼネラリストが、戦後はスペシャリスト的な経営者が重要な役割を担ったのがよくわかります。昭和の経営者でもう一人上げるのであればダイエーの中内さんでしょうか。2013/07/08
さくたろう
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気迫が違う・・・2013/05/13
mcpekmaeda
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幕末期は個性豊かな個々人が競って登場するのに、西南戦争以後は、文化史以外の歴史を動かすのは政府の役割で、民間の諸個人はそれを牽制する存在として描かれることが多いと感じていた。 それに対して、本書は民間の経済人の自律的な動きに焦点をあてており、非常に勉強になった。また、現代に活躍する大手企業のルーツを垣間見ることもできた。2018/12/12