内容説明
受験では、やったことのない問題に向かい、限られた時間でなんとかヤリクリしなくてはいけない。単に公式を覚えているだけでは立ち向かえない。その意味で、受験も人生も勝負どころは同じなのだ。数学を語ることで人生を語り、人生を語ることで数学を語る。誰も語らなかった受験数学の本質を、やんわりと、しかし鋭くえぐり出す。
目次
1 受験は精神より技術で
2 入試採点の内幕
3 技術としての受験数学
4 受験数学以前
5 ぼくの受験時代
6 数学答案の書き方
7 大学の数学へ
8 数学という学問
ティー・ラウンジ
著者等紹介
森毅[モリツヨシ]
1928年(昭和3年)東京生まれ。数学者。京都大学教養学部教授を長くつとめた。2010年(平成22年)7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
25
数学の森先生のエッセイ本。先生の学生時代(戦中)なども含めた受験と数学がメインテーマ。なにせ受験問題は分からないのが当たり前で、分からなさにどう対処していくのかという受験というか人生の指南でもあったりします。でも勉強はあえてしないという先生のやり方を文字通りに実行すると凡人は玉砕すると思いますw 大学進学後の数学の話も良いので受験が終わった後ぐらいに読むのが良いかも? 出題者が採点者に言い負かされる採点の裏話や「答案は採点者へのラブレターのつもりで書け(ただし余計な点数稼ぎは減点)」というのが楽しい。2020/03/15
kubottar
21
大学受験のテクニック本かな?と思いきや、全く正反対な内容。主にこれはセンター試験の穴埋め問題を攻略するのとは違い、記述式問題に対しての攻略法。人と違う答案を作成することに注力しているのは面白かった。答案は先生との対話だから、人にみせて納得させるのはわかるが、鼻をあかす答案にすべきなのは笑った。つまり、受験とは他人と差別化した人が合格するのだから、いかに他人とは違った攻略方法、つまり「個性」を獲得することを目指す内容だった。2020/09/18
Eric
12
最初はクセの強い本だと感じたが、なるほど人生に通ずる考え方といえる。2020/10/31
魚京童!
12
数学というのは、わからんうちはひどく難しいのに、わかってしまうとひどく易しい2014/02/08
くまくま
6
前半部は問題の作成者、採点者としての立場から点を取るためのポイントについて、後半部は人生論中心。この本の核心部は後半〜野矢先生の解説にある。2020/02/06