内容説明
俳聖芭蕉の芸術観に浸り、自らの境涯と共鳴して、その孤客の風骨を、死の床にありながら余すところなく描破した義秀文学畢生の力作。芭蕉の句とその背景を重ね合わせて読み解き、彷徨の生涯を知る。
著者等紹介
中山義秀[ナカヤマギシュウ]
明治33年(1900)、福島に生まれる。早稲田大学卒業。在学中、横光利一を知る。大正十二年津中学に赴任。十五年成田中学に転じ、創作活動に入る。昭和8年強要されて教職を去る。その後、川端康成、宇野浩二らと知り合い、「行動」に作品を発表。昭和13年「文学界」に発表した『厚物咲』により第七回芥川賞受賞。15年「文学界」同人、18年海軍臨時報道班員として南方各地を巡歴。戦後は主力を歴史小説に向け、『武辺往来』等を執筆。39年『咲庵』で野間文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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