中公文庫
ケルト神話の世界〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 259p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122055261
  • NDC分類 164.3
  • Cコード C1122

内容説明

不死と再生を象徴する魔法の大釜。聖杯探求という試練。トリスタンとイズーの愛の物語。アーサー王伝説。そして、探求と試練の果てにもたらされる永遠の至福。ヨーロッパの古層に眠る豊饒なるケルトの物語に、地殻変動を起こしつつある現代文明に生きるわれわれが学ぶべきものは何か。

目次

第6章 再生の大釜
第7章 探求と試練の旅
第8章 秘儀的神話
第9章 王権神話
第10章 愛の物語
終章 永遠の至福

著者等紹介

ブレキリアン,ヤン[ブレキリアン,ヤン][Brekilien,Yann]
1920年フランス、ブルターニュのブレーン生まれ。レンヌ裁判所判事等を歴任した後、ケルト学の学位を取得。2009年没

田中仁彦[タナカヒトヒコ]
1930年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。鹿児島大学を経て上智大学文学部教授に。2000年に退官し、現在、上智大学名誉教授

山邑久仁子[ヤマムラクニコ]
1961年神戸市生まれ。上智大学文学部仏文科卒。上智大学、桐朋音楽大学、文教大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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マウリツィウス

19
【ケルト文明の遺産】グノーシス影響下にある異教存在ではなくその活路を見出すことで異端認識を免れた《旧約期存在》はダゴン以外にもバビロニア起源に遡る。古典主義における《ユダヤ教》とは異端セクト由来ではなく古代ギリシャ文明を投影、二重化された遺産を忘却へと帰さないためにキリスト教文明と聖パトリックの融和が必然視される。ボルヘス以降現代芸術において文学神話の再帰が必要とされるも古典と神話の矛盾性質を否定したキリスト教カトリック圏における防衛ラインを構築する様式追求に意義を見出すことが可能だ。/ジョイス到来の予兆2013/07/29

蛇の婿

10
日本神話で例えば八岐大蛇説話が出雲族の製鉄技術などを示すなどの隠喩的なものが多分に含まれているのならば、ケルトのドルイド秘儀伝授の口伝であったこれらの神話にもまたそういう隠喩が本来ならば多分に含まれていてもおかしくないよなーとフト思いました。一見して整合しない矛盾のようなものであるとかキリスト教的に都合の悪いものをキリスト教の教訓話や聖者のエピソードなどに当時の人々が置き換えてしまったのならば、これ逆に必要な部分を創作してマザー・グースや民話の原型に置き換えられればこの辺下敷きにした話が作れるかなとw2016/10/16

禿童子

5
ケルト神話の中ではポピュラーなアーサー王伝説も、自由奔放な伝承が多数ある中では埋没してしまう。コノートの女王メイブが夫王との財産比べという夫婦喧嘩のために「赤い牡牛」を奪おうとして大がかりな戦争になってしまう「クーリーの牛争い」のどたばた劇のなかで、変身を得意として「ドルイド的な恐ろしい姿」に化けるアルスターの英雄クフーリンの殺戮をほしいままにする残酷さと茶目っ気が同居するのがいかにも神話らしい。ケルトの恋愛物語「ジェルドレ」、「ディルムッドとグラーニャ」、「トリスタンとイズー」の三篇も興味深い。2016/01/03

ダージリン

4
アーサー王、トリスタンなど有名な英雄達も登場。探求と試練の旅をする英雄譚は、いかにも神話らしいテーマで面白い。ケルトの王は祭祀と戦士の役割を持つというが、神性と王は不可分なのだろう。ストーリーの反復のさせ方とか、王が寝取られるとか、小道具とか、興味深い点が多い。ケルト神話は全く詳しくないが、実に豊穣な世界がありそうで、もっと深く知りたくなってくる。2020/05/04

刳森伸一

4
ケルト神話の解説を通してケルト文化の独自性と偉大さを啓蒙せんとする意欲的な論考。ケルト愛が出過ぎていて、大袈裟になってしまっているところもあるが、コンパクトによくまとまっていると思う。2017/10/17

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