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中公文庫
暗闘〈上〉―スターリン、トルーマンと日本降伏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 415p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122055124
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C1121

内容説明

太平洋戦争をどうやって終わらせるのか?ポツダム会談は、スターリンとトルーマンの熾烈な戦いのはじまりだった。それぞれの黒い「時刻表」をめぐって野望と思惑と駆引きが交錯するようすを、国際的文脈から完璧に描き出す。読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞受賞作の単行本に新情報を追加した決定版。

目次

序章 最後への競争
第1章 日露米三国関係と太平洋戦争
第2章 スターリン、トルーマン、天皇の新しい課題
第3章 戦争と平和の決定
第4章 ポツダム会談―太平洋戦争の曲がり角

著者等紹介

長谷川毅[ハセガワツヨシ]
1941年、東京に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業。ワシントン大学で博士号取得。77年アメリカ市民権取得。北海道大学スラブ研究センター教授を経て、現在カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授。ロシア史、日露関係を専門とし、近年は冷戦史にも研究領域を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

11
巻頭にボリス・スラヴィンスキーへの悼辞あり。日本降伏のプロセスにつき、日米に加えソ連の動向も丹念に追いかけながら分析した重要な著作。かたや仁義なくゴリゴリに国益を追求するソ連、こなたそのソ連に対日戦をけしかけておきながら戦況好転と原爆完成によりポツダムで壮大な手のひら返しをする米英。外交とはこういうものか…と(悪い意味で)圧倒される。対する日本外交のグダグダっぷりは言うに及ばず。緊張感と迫力に満ちた、そしてあまりにも救いのない政治ドラマ。2024/03/13

新父帰る

8
ヤルタ会談と密約。ソ連の対日参戦。ルーズベルトの死。トルーマンの対ソ連対日政策の変更。日本政府の対ソ連仲介工作(東郷と佐藤大使)。ポツダム会談と無条件降伏。原爆実験成功とソ連参戦問題等々、第一級の資料を引用し丁寧に論述。ポツダム宣言の日本側の正式回答はなかった。ソ連軍が満州国境に集結を日本軍中央は無視続けた。原爆投下の決定は、ポツダム宣言発表前になされていた。原爆投下の命令にトルーマンは関与していなかった。ポツダム宣言文にソ連は関与できなかったので、裏切られたスターリンは参戦を急いだ。読み味たっぷりだ。2016/05/15

たけふじ

5
元々アメリカは早期の終戦を図るため、日本軍を大陸に釘付けできるソ連の参戦を求めていた。しかし原爆の開発によって「ポツダム宣言+ソ連参戦→終戦」だった図式が、「原爆→終戦」という図式に変わる。グルーら知日派は「皇室の安泰」が日本政府の目指すところであり、それをポツダム宣言に落とし込むことが早期の降伏受け入れにつながると看破していたが、それはトルーマンらからは受け入れられなかった。結果として、ポツダム宣言は日本に降伏を受け入れさせるものではなく、原爆を落とすための免罪符にすぎないものになっていった。2021/01/03

うたまる

4
太平洋戦争を終わらせた日本敗戦へのシナリオは誰がどのように描いたのかを、日米ソを軸に膨大な史料から語る本書。戦後の世界秩序まで見越した外交上の暗闘は見応えたっぷりだったが、いかんせん記述がくどい。良く言えば丁寧に、悪く言えばチマチマと史料を並べ立てるので、似た内容の重複が多く展開が亀の歩みのよう。この論文テイストが躍動感を削いでいて残念だった。さて印象深いのはソ連について、ルーズベルトが武器供与や権益拡大を認める宥和派で、トルーマンがそれに懐疑的だったこと。巷間の評価と真逆でそれぞれのイメージが反転した。2016/06/14

Mitz

4
太平洋戦争終局前夜、日本降服に至るまでの、米国とソ連の暗闘。各国の思惑、ポツダム会談の意味、原爆投下や終戦間際のソ連の対日参戦の背景が、圧倒的な取材力と分析力により、ここに明らかになる。日米露がそれぞれ描いた“時刻表”が、少しずつ米国のそれに重ねられていく過程は、小説や映画ならこれ程面白いものはないだろうが、これが現実だったのだから…。上巻は原爆投下のその瞬間まで。下巻はソ連参戦に焦点が置かれるだろう。2011/08/26

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