中公文庫<br> 繭の密室―警視庁捜査一課・貴島柊志

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中公文庫
繭の密室―警視庁捜査一課・貴島柊志

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122054912
  • NDC分類 913.6

内容説明

日比野功一の妹・ゆかりは帰宅途中に何者かに誘拐された。同時期に、チェーンのかかった密室状態のマンション一室からの転落死事件が発生。捜査にあたった貴島刑事は六年前のある事件に辿り着く。事件の真相は、そして誘拐の行方は…?傑作本格ミステリシリーズ第四作。

著者等紹介

今邑彩[イマムラアヤ]
1955年(昭和30)、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。1989年(平成元)鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と十三の謎」に応募し(十三番目の椅子)を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

244
今邑彩さんの13冊目の著作で貴島柊志刑事シリーズ第4作で最終作です。本作は過去3作の怪奇性を排し現代的なミステリーに仕上がっており密室のトリックも機械的ではなく心理的で不自然さのないナチュラルな出来栄えでしたね。冒頭の女性誘拐事件と3人の友人男性連続殺人事件はどう繋がるのか?二重に施錠された7階の部屋から転落死した男はなぜ靴を履いていたのか?魅力的な謎の解明と読者への騙しの仕掛けと意外な犯人の趣向に大満足で虐め問題が生む負の連鎖と加えて原因に踏み込む姿勢に著者の現代社会に対する警鐘の思いが読み取れました。2024/08/30

しんたろー

170
貴島シリーズ第4弾は当初のコンセプトである「怪奇と本格ものの融合」はスッカリ薄れてしまったのが残念だが、刑事ものとしてはこなれてきた感じで、推理小説としては真っ当な内容。ミスリード&密室トリックを巧みな構成で読ませるし、貴島と倉田刑事のコンビネーションも上手く、倉田の妻が絡んでくるのも面白い。ラストでは表題の意味を不気味に仄めかす味付けも悪くない…悪役たちや殺人犯よりも怖いのは…ゾッとするのはある意味ではホラーかも。それだけに、今邑さんがご存命なら、代表作的なシリーズになりえた素材で惜しい気持ちになった。2021/02/26

nobby

108
貴島シリーズ第4弾。ホラー要素は全く無いが、最後はゾワッとする良質なミステリ。部屋の中からチェーンロックした密室状態からの転落死は自殺それとも殺人なのか?その捜査から事実が解明される様子、はたまた新たな展開が生まれていくのが実に小気味よい。ピザの謎とか今では誰もが分かる伏線から、その転落の真実にも気付けてなるほど。そして真犯人に繋がるトリックも珍しくないけど思わず納得。何にしても続きが読めないのが残念…2016/08/16

りゅう☆

97
女子大生が拉致された。その後、男が密室状態で転落死、彼の友人が殴打絞殺され、別の友人も殴打されたが一命を取り留めたものの記憶障害に。事件を追う貴島は6年前の男子生徒の自殺に辿り着く。今回の貴島のコンビは再び倉田。前回は嫌なイメージしかなかったけど、事件で出会った女性と結婚して良い夫になってて驚き。やはり貴島が事件の真相を明らかにするも切ない結末。そして今邑さんらしく不穏なエピローグ。貴島がインパクトある人物ではないけど密室トリック、驚きの展開に安定の面白さがあるのでまだまだ読みたいシリーズだけど残念だな。2021/09/03

セウテス

89
【貴島刑事】シリーズ第4弾。ホラーテイストとの融合が本シリーズの特徴だったが、今回は直球のミステリ。マンションから転落した被害者は、部屋の中からチェーンをかけた密室、靴を履いてベランダから墜ちた。誘拐事件と連続殺人事件が、過去の事件を含んで複雑に絡み合っていく様は、読者を取り込む作者の流石の技だ。トリックというより何故を考える感じで、むしろ作者の仕掛けを見破れるかに重点があるだろう。ストーリー的にも現代の社会問題を下地に、読者の怒りを巧く容疑者に向けさせるなど、さらりとしているのに読み応えは充分ある。 2020/08/05

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