内容説明
はじめて日本を訪れたときから六〇年。ヨーロッパに憧れていたニューヨークの少年にとって、いつしか日本は第二の故郷となった。京都や東京の思い出の場所、そして大切な友人たち…。日本文学研究に人生を捧げた著者による、変わらないものへの愛情にあふれた自伝的エッセイ集。
目次
1(私の大事な年;光と影のスペイン;北京の春;ポーランドにリラが咲く頃;五十三年ぶりのウィーン;「清き水上尋ねてや…」―京都・鴨川;わが街、東京;“かけ橋”としての人生;ニューヨークの近松門左衛門)
2(私の自己証明;定説と自説の間で;文学と歴史の境界線を越えて;東北に対する私の偏見;漢字が消える日は来るか;学者の苦労)
3(私という濾過器;作品で世界と「会話」―安部公房を悼む;御堂筋を歩いた思い出―司馬遼太郎氏を悼む;友人であり恩人―嶋中鵬二氏を悼む;良い友達を失ってしまった―永井道雄氏を悼む)
4(私の好きな空間―歌劇場;ケンブリッジのキャスリン・フェリアー;わがマリア・カラス―『トスカ』第二幕LD化に寄せて;メトロポリタンに「還暦のドミンゴ」を聴く)
著者等紹介
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド][Keene,Donald]
1922年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学、同大学院、ケンブリッジ大学を経て、53年に京都大学大学院に留学。現在、コロンビア大学名誉教授、アメリカ・アカデミー会員、日本学士院客員。文化功労者。勲二等旭日重光章受章。菊池寛賞、読売文学賞、毎日出版文化賞など、受賞多数。2008年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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