中公文庫
母べえ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 121p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122052772
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

その朝は特に寒かった。玄関のあわただしい鈴の振れる音と戸を開ける音に混じって、何か言っている緊張した母の声で、私は目が覚めた…。日中戦争が始まった昭和十二年、治安維持法で検束された父の留守を守る母と二人の娘。黒澤明監督の右腕として活躍した著者が、亡き両親への鎮魂を込めて綴る。

著者等紹介

野上照代[ノガミテルヨ]
1927年東京都出身。戦後、雑誌記者を経て大映京都のスクリプターとなり50年に『羅生門』で黒澤明監督と出会う。その後、東宝に移り、52年の『生きる』以降の黒澤全作品に参加。かたわら広告代理店でCM制作を手がける。84年、本作品で読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞優秀賞を受賞。同年、山路ふみ子賞功労賞も受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AKI

8
戦前の治安維持法、思想の自由もない国に再び戻る事がないように、願うしかない。家族がお互いをとても大切に思い合っている姿が素敵だった。2018/10/15

6
生きづらい時代の中、慎ましい日常の中の愛。どこにもある、でも特別な物語。映画も観てみたい。2022/08/17

スエ

3
治安維持法で検挙された父と、その妻子がかわした手紙を中心に綴られる物語。喜びも悲しみも、淡々とゆるやかに紡がれていて、だからこそ突然の結末が胸を打つ。映画も見てみたい。2011/04/19

Hiroo Sasaki

0
父親が検挙されても日常は続いていくというのんきな感想を持ったが、それは語りが子供目線であることに引っ張られたからだ。その日常を守っていたのは他でもなく「母べえ」である。 誰かの犠牲によって今の生活を続けられている。しかもその誰かは身近に存在して、犠牲になっていることを全く感じさせない人なのかもしれない。2014/10/14

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