出版社内容情報
ヒンドゥー教とカースト制度を重要な要素とするインド亜大陸。多様性と一貫性を内包した、インド文化圏の成り立ちを詳説する。
内容説明
多様性のなかに一貫性を育み、ヒンドゥー教とカースト制度を重要な要素とするインド文化圏。その起源をインダス文明にたどり、史書無き歴史を鮮やかに活写する。スリランカなど周辺地域についても詳説。
目次
インド亜大陸
インダス文明の謎
アーリヤ人と先住民
農耕社会の成立
古代王国の成立
非正統派思想の興起
古代インドの統一帝国
外来民族と土着勢力
流動期の亜大陸
古典文化の繁栄
有力国家の分立と抗争
転換期の社会と宗教
インド文化の伝播―スリランカ、中央アジア、チベット
著者等紹介
山崎元一[ヤマザキゲンイチ]
1935年、東京生まれ。59年、東京大学文学部卒業。同大学大学院、東洋文庫付置ユネスコ東アジア文化センター研究員、国学院大学文学部助教授、教授を経て、国学院大学名誉教授、東洋文庫研究員、博士(文学)。専攻は古代インド史であるが、近現代のカースト制度にも関心をもつ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
14
イスラム流入までの古代インド史の概説書。宗教上の伝説や説話、貨幣の刻印などを頼りに、馴染みの薄い時代を読みやすく描いている。遠い時代のようで仏教の用語の元ネタなど、意外と身近なつながりを感じれるのが面白いところ。カースト制度の説明に力が入っており、融通無碍な教義や時代に合わせて変化を遂げた部分を紹介することで、「固い」イメージを改めさせている。後世から見て非人道的に思える部分も、社会の安定が第一であった時代ということを考えれば、当時の人々が受容できたのも納得できるかなと。2022/06/29
coolflat
10
インダス文明~コーサラ国マガダ国ナンダ朝~マウリヤ朝~クシャーナ朝~グプタ朝~ヴァルダナ朝~ラージプート時代までのインドの歴史。最後の100頁ぐらいは、バラモン教、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教について。インド発祥の仏教がなぜそのインドにおいて衰退したのか、なぜ身分差別の元凶カースト制を持つヒンドゥー教が降盛したのか。地域社会との結びつきが弱かった仏教徒と、ヴァルナ制を変容させ大衆化したことで地域社会と結びついたヒンドゥー教と、行為や知識よりも熱情的帰依を強調するバクティ信仰、これらが仏教が衰退する理由。2015/10/15
Mzo
9
古代インド史を分かりやすくまとめている。特に、ヒンズー教や仏教については繰り返し触れられていて、エピソード等も自然に頭に入る。これを読んでおけば、「聖☆おにいさん」がより面白く読める…かも知れない(笑)2012/05/23
Mzo
8
初読時の感想で「自然と頭に入る」と書いたけれど、5年経つとすっかり抜けていることが分かりました。分かりやすいな、という感想は変わらず。2017/10/04
じゃくお
5
仏教成立以前のインドを知るために本を読んできましたが、古代インドの魅力に惹かれることで違う楽しみ方も発見できました。古代インドの宗教事情については他の本からも学んでいたため知っている知識が多かったものの、古代中国史にも劣らない群雄割拠の古代インド史は娯楽としても成立しますね。また、人種だけでなく言語や宗教も違うインド亜大陸はまさに文化の宝庫と言えるでしょう。仏教を中心にインドの知識を吸収しているため古代インド史の全容には力を入れずに接していますが、掘り下げれば更なる魅力を発掘できそうです。2020/01/22
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