出版社内容情報
サルトル、ヴィトゲンシュタイン、ハイデガー、小林秀雄…古今東西の哲学者、思想家たちの核心を紹介。「究極の知」への冒険ファンタジー。
内容説明
ある日作家のもとに現れた、哲学者の言葉を語る不思議な猫。「語の意味とは何か?」「“私”は誰?」―哲学の諸問題を、猫と作家が案内する。サルトル、ウィトゲンシュタイン、ハイデガー、小林秀雄…古今東西の哲学者、思想家たちの核心を紹介。時空を旅する猫とでかける、「究極の知」への冒険ファンタジー。
目次
プロローグ わたしは人間だ
1 ウィトゲンシュタインの章 ラプソディー・イン・ブルー
2 サルトルの章 君は自由だ、選びたまえ
3 ニーチェ/ソクラテスの章 ブラザーサン・ブラザームーン
4 カーソンの章 沈黙の春
5 サン=テグジュペリの章 カイロの赤い薔薇
6 ファイヤアーベントの章 オペラ座の怪人
7 廣松渉の章 四つん這いのエロ松
8 フッサールの章 巨大なエポケー
9 ハイデガー/小林秀雄の章 ひひじじい
10 大森荘蔵の章 過去は消えず、過ぎ行くのみ
著者等紹介
竹内薫[タケウチカオル]
1960年東京生まれ。猫好き科学作家。東京大学、マギル大学大学院卒業(専攻:科学哲学・物理学)。理学博士
竹内さなみ[タケウチサナミ]
翻訳・文筆家。青山学院大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
114
地元の駅前で行われた本祭りで購入した本 哲学…ということでデカルトとかカントが登場するのかと予想していましたが目次の時点で彼らは登場しない(間接的には登場した…のかもしれない、その辺は読者の解釈次第と思われる描写)模様。むしろ作者さんはデカルトカントあたりはあまりよろしく思ってない模様…。 ニーチェの「神は死んだ」を現代人向けに「科学は死んだ」という感じに例えたのは秀逸なたとえと思われる。科学のお墨付きが与えられたものが一瞬にして無価値なものになってしまったら私だってショックかも?2020/10/15
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
105
「鏡に映る自分の姿は、左右は逆転するのに、なぜ上下は逆転しないのか?」答えは本書の中に。 本の中身をよく吟味せず表紙画の猫に惹かれ手に取った。 シュレ猫という猫が「哲学」の諸問題を案内するという高等な書物であった。猫との掛け合いが滅茶苦茶面白い。 哲学的なところは当然理解できない部分が多いが、 哲学解説書というよりエッセイ、小説のようでもある。 『誰にでもわかる哲学本』と著者があとがきで語るのも頷ける。 ☆5.02021/04/07
NAO
68
オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレディンガーの、「箱の中に猫を入れ、放射線と青酸ガスを放出する。このときの猫の生死は蓋を開けて実際に見てみるまでは確定していないとし、蓋が開くまでの時間は生と死の両方の状態とも考えられる」とした思考実験「シュレディンガーの猫」は、哲学にも大きな影響を与えた。本作品は、その物理学とも哲学とも繋がり合う「シュレディンガーの猫」を登場させた、哲学的ファンタジー。哲学者である主人公が部屋を完全なる無音空間にしたところ、箱状態の家の中で飼い猫にシュレディンガーの猫が憑依する。⇒2022/02/20
マドロス
37
やはり、科学というのも哲学なんだと再認識。いずれも「真理」を人間の言葉で説明できる範囲で説明したに過ぎない。ファイヤアーベントの章がお気に入り。2016/07/26
SOHSA
33
シュレ猫を主人公とする物語風の哲学入門書。多彩な過去の哲学者がシュレ猫との重ね合わせによって出現し、語るというSF的展開は、何気に面白く、いつのまにかシュレ猫に感情移入してしまった。内容的にやや難解なところも幾つかあったが、私のような素人の知的好奇心をくすぐるには十分な内容だった。2013/05/22
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