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中公文庫
ぼくが愛したゴウスト

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122050600
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

それは初めて、少年が一人でコンサートへ行ったときからだった。帰り道に駅で事故を目撃してから、世界はどこか自分と違っていた。この不思議な世界、少年は何処へ向かう……。書下ろし長篇。

内容説明

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。生まれてはじめて、ひとりで行った人気ロックバンドのコンサートの帰り、翔太は駅で人身事故発生の瞬間に居あわせてしまう。それを境に彼は、この世界に微かな違和感を抱きはじめるのだが―。残酷で理不尽な世界に立ち向かう少年の、愛と恐怖の旅立ちの物語。

著者等紹介

打海文三[ウチウミブンゾウ]
1948年東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫鏡の国のスパイ』が第13回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。03年には『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞を受賞。2007年10月に急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yu

48
Kindleにて読了。 伊坂さんのエッセイに触発されて手にした一冊。 人身事故を契機に、違う世界?へと誘われてた売れない俳優と主人公の少年。 少年の心の葛藤や、成長が垣間見えるストーリー。幸せな結末でもなければ、不幸でもないと思う。恐怖を感じ続ける世界で、ゴウストと感じる人々とのある意味愛おしい生活は、少年にとってどういうものなんだろうか。2015/07/25

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

41
斎藤美奈子さんの『文芸誤報』から。あとがきで伊坂幸太郎さんが書くようにタイトルだけ読むと少年と心優しい幽霊の出会いと別れ、命の尊さを描く……みたいな小説かな?と思うのだけれど、全然違います(笑)一人で行ったコンサート帰りにあった人身事故、無事に帰宅した家で感じた違和感、駅で出会った男から渡された名刺に書かれた「家族が心配する。何も話すな。俺たちは迷い込んだらしい」というメッセージ。少年の成長物語かと思わせて、SF冒険?パラレルワールド?少年と男(売れない役者)との友情?など様々に予測させながら、続き→2015/07/17

はらぺこ

41
11歳の田之上翔太と俳優の山門健がパラレルワールドに迷い込んでしまう話。元居た世界との違いは、人には心が無くて尻尾が有り体臭がイオウのニオイって事。こんだけ違ったらファッションとか文化が違う進化をしてそうな気がした。 翔太が全巻持ってる『ドラゴンボール』の内容が凄く気になる。悟空の尻尾を見てビックリするのは不自然やから、地球人に尻尾が有って悟空に尻尾が無いんかな?そうやったら大猿になった悟空のドコを切るんやろ?もしかしてセン馬と同じく去勢か?2014/11/23

じゅむろりん

30
ごく普通の11歳の少年が駅で人身事故に遭遇した時から、家族に違和感を持つ。自分以外の人間にしっぽが生えていて「心がないのが当たり前」と言われたら、小学生は孤独と絶望に打ちひしがれるだろう。パラレルワールドが舞台のSFものと高をくくってはいけない。心とは何か。現実と幻想の境界は何か。偽物の家族にも裏切られた少年を温かく包む愛すべきゴウスト達を「幻」と片づけられない不思議な世界観にすんなりと移入できることが不思議。打海氏の描く若者は弱くて強い。とにかくかっこいい文章で何とも言えない読後感が味わえます。2016/08/02

Small World

30
後書きの伊坂さんと同じように、タイトルから別のストーリーを想像していましたが、ちょっと違った展開になっていくのが楽しかったです。終盤、タイトルの意味がわかっていく場面もふくめて、静けさを感じさせる不思議な作品でした。キャッチボールの場面が秀逸で泣かされちゃいましたね。2016/02/28

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