出版社内容情報
かつて周囲の反対で別れることになった恋人が、社会的地位を得て戻ってきた。しかし、自分はすでに適齢期をすぎ――。オースティン後期の最高傑作。
内容説明
かつて周囲の反対で別れることになった恋人が、社会的地位を得て戻ってきた。しかし、自分はすでに適齢期をすぎ―。穏やかな秋の日、保養地ライムとバースを舞台に書かれた、オースティン晩年の、最も美しく最も繊細な恋の物語。
著者等紹介
オースティン,ジェイン[オースティン,ジェイン][Austen,Jane]
1775年、イングランド南部ハンプシャーの牧師の家に生まれる。19世紀初頭に活躍した英国の女性作家。近親者に囲まれ、生涯独身のまま、穏やかな生活のなかで創作活動を続けた。代表作に『分別と多感』『高慢と偏見(自負と偏見)』『エマ』など。鋭い人間観察眼による心理描写を得意とする。1817年没
大島一彦[オオシマカズヒコ]
1947年(昭和22年)、茨城県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻修了。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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punto
8
オースティンは三作目です。母親代わりに説得させられてあきらめたはずの昔愛した人が再び近所にやってくる苦しみと喜び。あきらめようとしながら、ずっと気にし続け愛し続けるアン。彼女が好きになりました。なぜか考えてみると、相手役を好きな気持ちが理解できるからかもしれません。ウェントワース大佐はほとんどセリフはないですが、その分勝手にいい人なんだろうなと想像できます。(ダーシーは分かりにくいし、ナイトリーさんは上から目線だった 汗)むしろ目線だけの記述からの感情の描き方がすごい。ヒロインが報われて嬉しかったです。2017/07/19
白玉あずき
8
本の整理していて つい再び読み始めてしまった・・・右の本を左に移すだけで全然片付かないが、オースティンが4冊あることがわかった。読了率50%也。わーいあと2冊も読んでない本があって楽しみだなあ。読み始めると止まらない心理描写の面白さと、共感性。2014/03/23
白玉あずき
6
『准男爵名鑑』には苦笑い。サー・ウォールターほど世間にとって無用な人間がいるだろうか。この俗物見栄っ張り!それにしてもオースティンの世界は狭い。「人間観察」以外に趣味やら興味やらは無かったのか?女性作家にありがちなお衣裳の描写すらなく、犬猫の1匹も登場せず、人間にしてもごく狭い身分の人のみ。女中など奉公人すら描かれない。しかし不思議なことにこれが面白い。こんなことあるあるという共感からくる面白さか、はたまた人間存在そのものの可笑しみか。近いうちにエマとか他の作品も読んで見よう。2013/08/14
旭
4
再読。時を経た今だからこそ、という視点が暖かい。オースティン作品の中で一番幸福を疑わないカップルでもあります。全体に、優れたミステリーでもあるという印象が初読時より強い。心理描写が冴え渡っていて、こんなにすごかったのかとも驚きました。焦らして募らせて、最後にあの手紙が来るものだからこちらの高揚は最高潮に。この作品の後はどんなものが書かれるはずだったんだろう。この先のオースティンを読んでみたかったなあ、とわがままな気持ちになる作品。2012/10/04
irom
3
いつの時代も、世界のどこでも、家族って悩みの種なんだなぁと思って引きこまれる(笑)好きな人が自分のことをどう思っているんだろうというドキドキソワソワ感、最高!日本の高校生にもっとオースティンを読んでほしい!タイトルからはまず中身を想像できないのが残念なところだけど。2015/09/15
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