出版社内容情報
酒好き女好き芝居好きの御畳奉行朝日文左衛門が綴った『鸚鵡籠中記』を詳細に解説。元禄の世相と赤裸々な武士の姿が浮かび上がる。
内容説明
尾張徳川家の無類の記録マニア朝日文左衛門の二十七年に及ぶ日記「鸚鵡篭中記」は、元禄に生きた酒好き芝居好き女好きな下級武士が、泰平の世の武士や庶民の生活を的確に、倦むことなく綴った希有の記録である。厖大な日記を読み解き、元禄時代の人と生活、文化の実情を伝えた超ベストセラー新装版。
目次
八千八百六十三日の日記
武士学入門
御畳奉行どの
元禄社用族
おかしな侍たち
浮かれ妻騒動
心中ばやり
城下の事件簿
街談市語
文左衛門の退場
著者等紹介
神坂次郎[コウサカジロウ]
1927年和歌山市に生まれる。作家。戦後、俳優座演出部など演劇関係を転々、小説の世界に入る。82年、『黒潮の岸辺』で第二回日本文芸大賞、教育映画『南方熊楠―その人と生涯』で文部大臣最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
8
必要があつて、尾張藩のことを知る必要があり、『鸚鵡籠中記』(岩波文庫)も買つてみたのであるが、まづはこの本を読んでみた。神坂次郎さんは、ジャーナリスティックな視点からこの朝日文左衛門の日記を読みほぐし、太平の時代の藩士たちのヒマさと、その日常の様々なゴシップと、そのヒマさによつて生み出された文化的なサロンの充実ぶりを紹介する。尾張藩といふ社会をざつくりと知るためにはよい案内書である。2023/09/17
i-miya
5
★神坂次郎『元禄御畳奉行の日記』(中公文庫) 2005.05.09 P200 あとがき 朝日文左衛門重章 S59.07 20年の付き合い S39.07 出会い ヒステリックな2人の妻 芝居 博打 酒色 兵法 ひょぼくれ(兵法暗れ) 日記26年8ヶ月 37冊 2000000字 鸚鵡籠中記 元禄04.06.13(自分の日記) 父のメモ 貞享01.08.29 享保02.12.29まで 34年間 元禄名古屋城下 「歴史と人物」 2005/05/11
マサ
2
尾張徳川家の藩士、朝日文左衛門が書き残した日記「鸚鵡籠中記」を引用し江戸元禄期の中級武士の生活や世相を解説したもの。この朝日文左衛門という人が面白い。芝居好きでゴシップ好き。特に可笑しいのは出張旅行での接待。引用は候文で読みにくいが、元禄の生き生きとした感じが伝わってくる。2021/09/26
韓信
1
酒と博打と芝居が大好き、嫁の悋気に怯え、野次馬根性丸出しで事件や噂話に首をつっこむ、仕事はぐうたらだが記録マニアな泰平の世のサラリーマン武士朝日文左衛門重章の人間臭い日記『鸚鵡籠中記』から、元禄時代の下級武士や庶民の生活を点描する。尾張領内ではゆるかった生類憐みの令や赤穂浪士討ち入りに対しての無関心さ、民衆や下級武士の餓死や貧窮、女や博打で身の持ち崩し等、絢爛たる元禄のイメージを覆す生々しい内容。嫁に見られることを警戒して女遊びは暗号文字で記録する文左衛門が可愛らしい。ところで散見する「雀ずし」は何なのか2021/07/29
トーマス
0
酒好きゴシップ好きで、女の子目当てで弓の稽古にいくものの、良い仲になったらもう辞める。ゆるゆるな感じが、なんとなく磯部磯兵衛っぽくて笑える。刀無くして大問題とか、今だと機密情報盗まれて大問題みたいな感じかな。 しかし飲みすぎだな。。2017/12/11
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- 和書
- 5年3組リョウタ組