中公文庫
性のアウトサイダー

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 469p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122050297
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C1198

出版社内容情報

放蕩、女装趣味、同性愛など、文学における「性」のイメージを大胆に描いた文学者たちを紹介する。サド侯爵から三島由紀夫まで、特異な世界を考察。

内容説明

放蕩、女装趣味、同性愛など、「性倒錯」のイメージを大胆かつ強烈に昇華させた文学者・哲学者・思想家たち。サド侯爵から三島由紀夫まで、もちまえの博覧強記で古今東西の事件、事象、文献を縦横無尽に考察し、人間の欲望がおりなす文化の系譜を鮮やかに繙く。

目次

第1章 シャーロット・バッハの秘密
第2章 シャーロットと進化の謎
第3章 アナーキーの化身
第4章 浪漫的苦悩
第5章 反逆の天使
第6章 反逆から性犯罪へ
第7章 ヴィクトリア朝の適応不能者たち
第8章 罪悪感と挑戦
第9章 適応不能者か、神秘家か
終章 第五の窓

著者等紹介

ウィルソン,コリン[ウィルソン,コリン][Wilson,Colin]
1931年、イギリス、レスター生まれの評論家、小説家。労働者階級の家に生まれ、アカデミックな教育は受けなかった。さまざまな職につきながら独学、作家の道を志す。1956年、『アウトサイダー』で衝撃的デビューを飾り、以後、思想家・小説家の評伝や性的倒錯、動機なき殺人、神秘主義などの研究、小説の執筆を通して独自の人間観を展開している

鈴木晶[スズキショウ]
1952年、東京生まれ。東京大学文学部ロシア文学科卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期修了。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻は文学批評、精神分析学、舞踊史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マーブル

16
人間は興奮、決断、危機に対する反応を通じて能動的で、広く世界を見渡すことができる鳥の視点を得られる。しかしその視点は維持することができず正常な日常に戻ると虫の視点に引き戻され、問題を大げさに考え、無駄な心配にエネルギーを浪費する。危機が人間を退屈から救い出し、鳥の視点への到達を助けるとしたら、人類が苦労して積み上げてきた文明そのものが、幸福から人間を遠ざけるという悪循環に陥っている。神の如き意識状態に到達する鍵を性衝動に求めた適応不能者たちが犯した誤りを認め、その先にある可能性を示すことが本書の目的。 2023/01/03

無能なガラス屋

4
「新しい化学物質は、初めて合成されたときには、往々にしてなかなか結晶しない。ところが、世界のどこかの実験所でそれが結晶化されたとたん、他のすべての実験所でも結晶化がきわめて容易になる。」「シェルドレイクの理論によれば、人間の意識のレベルの進歩は一種の磁気誘導によって伝達される。したがって、もし一人の人間が自分の思うままにX機能に到達する術をおぼえると、じきにこの能力は種のすべてのメンバーに伝播する。」2022/05/22

あび

3
ブックカフェにて拝読。時間に余裕が無くかなりのハイペースで読んだ為、もう一度じっくり読みたい。面白かった。2015/05/15

hrn

1
三島由紀夫も取り上げられていた。確かに真正面から取り上げている日本人はいないかも。ヴィクトリア朝時代のところを読んでいて、酒見賢一「語り手の事情」の背景がしっくりきた。2010/05/21

御光堂

0
ハードカバーの方で読んだ。三島由紀夫のことがかなり詳しく取り上げられているのが興味深い。ここでは三島が完全に同性愛者扱いされている。一緒に割腹自決した森田必勝については三島の愛人と書かれている。三島が丸山明宏に身体の貧弱なことをからかわれて憤然として、それがきっかけでボディビルを始めたなんていうことも書いてある。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/122200
  • ご注意事項