出版社内容情報
敗戦直後、巣鴨拘置所に戦争犯罪人が数多く収容された。死刑囚の最期を看取った教誨師花山信勝の懊悩の日々を通し、戦争犯罪と太平洋戦争を考える。
内容説明
敗戦直後、連合国軍によって巣鴨プリズンと名づけられた巣鴨拘置所に、数多くの人々が戦争犯罪人として収容された。三十四名の死刑囚の最期を看取った初代戦犯教誨師花山信勝は、東条英機、広田弘毅、そして若いBC級戦犯を見送る懊悩の日々のなか、戦争犯罪をどううけとめ、教導活動にあたったのか、心の軌跡をたどる。
目次
第1章 混乱と糾弾
第2章 つのる収容者のいらだち
第3章 教誨師の決断
第4章 懊悩の日々なおも
第5章 遺書の朗読
第6章 A級処刑と新聞報道
第7章 きょうも人が死ぬ日にて候
終章 孤独の影
著者等紹介
小林弘忠[コバヤシヒロタダ]
1937年、東京に生まれる。60年、早稲田大学教育学部卒業、毎日新聞社に入社。92年退社後、2002年まで立教大学、武蔵野女子大学などで講師をつとめ、現在はノンフィクション、江戸史を中心とした執筆活動を続ける。著書に『逃亡「油山事件」戦犯告白録』(毎日新聞社、日本エッセイスト・クラブ賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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風見鶏
1
読んでびっくりしたのは、あの池袋サンシャインがかつて巣鴨プリズンと呼ばれた拘置所の跡地だったということ。検索したらサンシャインが心霊スポットにされている。拘置所の跡地だから心霊スポットだなんて失礼極まりない安直な結びつけは、本書によって解かれるだろう。巣鴨プリズンは時代背景も相俟って、死刑囚が往生するために作られた桟橋のようなものだったのかもしれない。もちろん納得のいかない判決はなされるが、彼らをして心霊スポットだなんて勘違いも甚だしい。戦犯が釈放された後、そこは名を改めて刑場ですらなくなったのだから。2014/03/08
ビタミン
0
★★★☆☆(8/25)2016/08/26