出版社内容情報
モンゴル帝国から元王朝を創始したフビライは日本遠征も失敗におわり、西方では叛乱が起こる。世界最大の版図を支配した帝国は静かに終焉を迎える。
内容説明
モンゴル帝国から元王朝を創始したフビライだったが、彷徨う南宋の王朝も攻めきれず、苦悩の末の二度の日本遠征までも失敗に終わる。チンギスやオゴディの時代に独立した西方のハーン国も叛乱を起こす。草原の地から起き、ヨーロッパから東アジアまでをも版図とし、東西の文化交流までも支配した世界帝国は静かに終焉を迎えようとしていた。
著者等紹介
陳舜臣[チンシュンシン]
1924(大正13)年、神戸に生まれる。大阪外語大学印度語部卒業。同校西南亜細亜語研究所助手を勤めるが終戦によって辞職し、家業の貿易に従事。1961年、『枯草の根』により江戸川乱歩賞を受賞し作家生活に入る。69年、『青玉獅子香炉』により直木賞、70年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』により日本推理作家協会賞、71年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞、76年、『敦煌の旅』により大佛次郎賞、89年、『茶事遍路』により読売文学賞(随筆・紀行賞)、92年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞、93年、朝日賞、さらに95年、「作家としての業績」により日本芸術院賞をそれぞれ受賞する。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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糜竺(びじく)
37
私の好きな直木賞作家、陳舜臣氏の長編歴史小説の全4巻中の最終巻です。モンゴル第五代ハーンであるフビライ中心に描かれていました。南宋を滅ぼしたり、日本に攻め込んだりと色んな事がありました。しかし、東アジアからヨーロッパまでとかつてない版図を広げたモンゴル帝国も、フビライの死後、とうとう終わりへと向かっていきます。全4巻の長編で、チンギス・ハーンの時から読んできましたが、すごい領土を広げて力を持ったわけですが、それも、歴史の流れで消えていく様を終わり頃読んだ時には儚さを感じました。読み応えのある小説でした。2018/04/24
どぶねずみ
21
フビライの偉大さを感じたが、結局それは子孫に継承されていかなかった。フビライは子孫たちに自分の意思を継いで欲しいと強く願っていたであろう。チンキムが早死しなければ、モンゴルの歴史は変わっていただろうし、日本にも大きな影響が及んだに違いない。2001/05/19
イエテイ
1
南宋を滅ぼし、2度の日本攻めは失敗に終わる。ハイドゥの乱が起きる。大きくなりすぎたモンゴル帝国がチンギスから幾世代となり文明化して分裂していくのは仕方がない流れかと。フビライ後の元はさびしく終わり読後が消化不良。2021/01/18
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