感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
45
芥川に嫁いでから芥川が自殺するまでの10年間の日記でした。文さんの淡々とした語り口から、芥川への愛情がひしひしと伝わってきます。2人の若い夫婦の姿に想いを馳せずにいられません。2023/04/02
冬見
24
「私たちの結婚生活は、わずか十年の短いものでしたが、その間私は、芥川を全く信頼してすごすことができました。その信頼の念が、芥川の亡き後の月日を生きる私の支えになったのです。」◆芥川の死に際しての文夫人の「お父さん、よかったですね」という言葉が、本書を通してリアルな質感と重みを持ち、響く。龍之介と文というとまずあの熱烈なラブレターが頭に浮かぶが、そのイメージは一つのレイヤーでしかなかったのだと思い知らされる。そしてこの本もそのレイヤーのひとつ。芥川文の龍之介がそこにいた。2021/01/11
駄目男
3
夫人は鮮明に愛おしむかのように当時を振り返って語っているが、故人の記憶は遺族が骸となるその日まで、色褪せることなく幾年月の間、まるで熟成されたワインのように成就されていくのか。 それを時折取り出して晩酌として嗜むのが想い出というものかも知れない。2014/09/16
katashin86
2
夫人のやわらかな語り口から、芥川の人となり・切実な苦しみがひたひたと伝わってくる。芥川文学を愛するすべてのひとに読んでほしい。2012/12/20
白米
1
新婚な芥川夫妻の家の隣に住みたい。と思った。芥川竜之介のラブレターに胸キュンして、この本まで読んだ。幸せになるやら、悲しくなるやら。自分も、文さんみたいな奥様が欲しい。図書館で借りたが、私が借りるまで10年ぐらい間が空いていた。こんなに良い本が読まれてないというのは、勿体無い気がする。2014/05/10