内容説明
複雑にからみあう三人の女性たち―23歳の平凡なオフィスレディ・由利香奈子、テレビレポーターとして活躍する今井シイナ38歳、中学生の今井美織13歳。それぞれの恋愛と、守るべき、もしくは捨てるべき、時には壊すべき家庭を瑞々しい筆致で描き、家族の絆の意味を問う。
著者等紹介
岩井志麻子[イワイシマコ]
1964年岡山県生まれ。99年、短篇「ぼっけえ、きょうてえ」で第六回日本ホラー小説大賞を受賞。翌年、同作を含む短篇集『ぼっけえ、きょうてえ』で第一三回山本周五郎賞を受賞。2002年、『チャイ・コイ』で婦人公論文芸賞、『自由戀愛』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
27
初読み作家。バラエティで下ネタを扱うタレントでもあるらしい。3人の女性をあぶり出した作品だが、中途半端にしか描き出されていないと感じた。恋愛に未熟で妻子ある男に惚れ込んでいく香奈子。その男の妻のシイナ。椎名の娘の美織。出だしは引き込まれたが、現実味のないシイナの考え方、有り様。共感できない香奈子や美織など魅力ない登場人物。いろいろ賞を取られている作家なので他の物を読んで見たい。2018/08/30
シャボン玉
20
美織の友達の名前、香里と茉帆子の名前が混じって【香帆子】になってる(誤植)264ページ 香奈子、シイナ、美織のなかでシイナが一番よかった。それにしても男どもが全然ダメだね。イライラした。2021/02/06
音
12
作者の作品は何作か読んでるが、ホラーもエロスも出てこない作品。登場人物の3人の女のそれぞれの心の葛藤と淋しさを描いているのはいいのだけど、どこか私小説的なのが残念。2015/11/08
genki0412
3
久しぶりに手にした岩井志麻子。改めて、“彼女の描く世界観が好きだ”と感じた。私小説的な香りのする作品で、読みながら「彼女の想いや願望なのかな」と、時々切なくなったりもした。テレビで見る岩井志麻子は、シイナ同様エキセントリックな印象だけれど、本当の中身は繊細な人なんだろう、という気がする。過去に読んだ作品も、改めて読み直してみようと思う。とにかく、文章が好き。表現が。2016/03/23
きよこ
1
3人の女たち。 愛人。妻。娘。 間違っている人も,正しい人も,いない。 それぞれがそれぞれの立場で戦って,傷ついて,生きている。 それだけのこと。2007/09/25