出版社内容情報
妻帯者として苦悩し悟りの道をひらいた伝道師の生涯を「出家とその弟子」でしられる仏教文学者が、美しい精緻な筆致で描いた名著を復刻。〈解説〉領家高子
内容説明
妻帯者として苦悩し悟りの道をひらいた偉大な浄土真宗の開祖の伝記。一一七三(承安三)年、京都の名門日野家に生まれ、比叡山での修行、越後への流罪、常陸国稲田を中心とした関東での伝道を経て、帰洛した波瀾にみちた九十年の生涯を『出家とその弟子』で知られる仏教文学者が、美しい精緻な筆致で描いた名著を復刊。巻末に武者小路実篤による「倉田百三による親鸞を読む」所収。
目次
いろはにほへと
反逆の血
法のひこばえ
黒髪落つ
若い学徒として
なやみの範宴
寒月と龍女
あやめも分かぬ
通う百夜
遇い難き人〔ほか〕
著者等紹介
倉田百三[クラタヒャクゾウ]
1891(明治24)年、広島県生まれ。一高病気中退。在学中に西田幾多郎の門をたたき、『愛と認識との出発』を一高校友会誌に発表する。以来病床にありつつ次々宗教的倫理的な主題を清新な作風で劇化し、また社会的な拡がりを持った主題を扱って、大正中期の独自な劇作家として多くの読者を惹きつけた。ロマン・ロランとも親交したことでも知られる。1943(昭和18)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
0
倉田百三といえば『出家とその弟子』...と思いつつ,戯曲を読み慣れないものでまずはこちらに手を出してみました.読みながら,子どもの頃,ばあちゃんちにあった子ども向け宗教まんが(『蓮如』とかそういうの)を読んでいたときの気持ちを思い出していました.それくらい素直に,品行方正に,まっすぐに描かれていたという印象.おおよそ親鸞上人の生涯およびそれを今に伝える記録などについて,概観を知れる本,というふうに思いました.その教え,またそこから延長して宗教や人間について思索を深めたいなら,『出家とその弟子』なのかな.2012/03/23
keiトモニ
0
武者小路実篤さんも、貶すところは貶すけれど、褒めてもいるな。あげたりさげたり、いったいどっちなんだと言いたいけれど、解説する人とすれば、やや物足りないんだけれど、そうばかりも言えないだろうって感じかなあ。2010/04/08
ぽった
0
親鸞の生涯がわかりやすく書かれている。最後の方は娘の話になっているが。2019/04/13