中公文庫<br> 敗因を衝く - 軍閥専横の実相 (改版)

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中公文庫
敗因を衝く - 軍閥専横の実相 (改版)

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  • サイズ A6判/ページ数 219p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122047204
  • Cコード C1121

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yasuhisa Ogura

2
著者は、上海事変などの謀略活動に直接従事し、開戦時には陸軍の要職を務めた。東京裁判では、検察側証人として被告人に不利な証言を行ったことから、裏切り者とさえ呼ばれる。先の大戦の敗因として、軍部の「軍閥」化をあげる。すなわち、軍部が本分を忘れ、政治に関与するようになったことが最大の問題であり、それが軍部の堕落に繋がったと指摘する。また、東條元首相と武藤章元軍務局長に対しては、厳しい批判を展開する。本書については批判も多いが、軍部の知られざる一端を示すものとして、重要な文献であると思う。2013/08/22

wei xian tiang

1
思うに憲兵ほど戦後誤解を受けているものはない。主務はあくまで軍事警察即ち軍人軍属の犯罪摘発と軍紀維持であり、南京事件も畢竟憲兵不足による軍紀弛緩が主因ともいえる。然るに、警察機構の整わない外地での警察活動と東条末期の憲兵濫用、又大杉事件のイメージが本務を覆い隠し、戦後六十余年を過ぎ甚だしくは憲兵と特高とを混同する向きさえある。実際は、陸軍組織たる憲兵と内務省の所管する警察は伝統的に仲が悪く、田中兵務局長が内務省警保局、警視庁他と定例会議を創設し、協力関係を築くまで市中にあっても警官と憲兵は敬礼の交換すらし2014/08/21

roatsu

1
いわゆる軍部専横の当事者の一人が遺した回顧録。東洋のマタハリ川島芳子を情婦にしたり、陸軍華やかなりしころに謀略(といっても昭和陸軍のそれは粗雑極まるものだが)、政争に精を出した人でもある。東京裁判では重要な役割を演じたが、調子のいい時はとことん図に乗り、逆境に立てばすぐに投げてしまうという典型的な日本型のチンピラ軍人(今の日本社会には形を変えて全く性質の変わらない輩が多いと見受けるが)だったようにも思える。いずれにしても往時を生きた先人が残したあの時代をひもとく価値ある記録の一つと思います2013/07/27

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