出版社内容情報
関ヶ原の戦いに勝って江戸に幕府を開いた家康は、巧妙な大名統制策をとって長期政権の基を築き、三百年の支配体制を固めてゆく。 <解説>根岸茂夫
内容説明
長い忍耐と苦難ののち、関ケ原の一戦に勝って天下の覇者となった家康は、長期支配体制の確立をめざす。朝廷や豊臣氏への強圧、大名統制、致富策、多彩な人材登用をおこなう一方で、譜代の忠臣や実子さえも改易するなど、個人から組織への施策が着々と進められてゆく。
目次
はじめに
六十年の忍耐
江戸の内大臣
関ケ原の戦い
覇府の建設
大御所と将軍
「強き御政務」
大坂落城
貿易と禁教
黒衣の宰相
大名統制
消えゆく人々
公家諸法度
島原の乱
将軍家光とその周辺
徳川三百年の基
著者等紹介
辻達也[ツジタツヤ]
1926年(大正15)、東京に生まれる。48年(昭和23)東京大学文学部国史学科を卒業。翌年より新設の横浜市立大学に職を奉じ、同大学教授を勤める。ついで専修大学に移り、現在は横浜市立大学名誉教授。江戸期政治史研究で着実な成果をあげる。編著の中央公論社刊「日本の近世」(全十八巻)で第四十八回毎日出版文化賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
61
宮城谷さんの「新三河物語」を読んだ後なので、読んでいてああそうだったのか、というところが結構ありました。徳川三代で基礎を気づいたのですが、結構内部抗争が出てきます。本多と大久保党の争い等は大久保長安までの処分につながっていたようです。面白く読みました。2015/07/26
優希
44
江戸幕府の始まりがわかりやすく解説されていました。戦国の世から、権力が徳川へと移りゆく過程が面白かったです。2022/06/09
umeko
17
再読。出来事と時間の流れを整理しながら読んだ。戦国の世から、徳川へ権力が集中していく流れが面白い。2018/12/01
MUNEKAZ
12
このシリーズだと「鎖国」「大名と百姓」はそれぞれ別巻で出されているので、本書では家康・秀忠・家光までの政治史を扱ってる。今となっては古さが目立つ部分も多く、関ヶ原前後の描写は時代を感じてしまうところ。ただ伊奈忠次や天海、家光期を支えた幕閣たちなど人物に焦点を合わせた書きぶりは読みやすく、多彩な逸話を通して徳川幕府の体制の深化を感じ取れるようになっている。また幕府と諸大名が常に緊張関係にあったような見方を批判しており、何でもかんでも「幕府の陰謀」とするような意見には、苦言を呈しているのも印象に残った。
珈琲好き
8
主権者として日本を統治することに始めて成功したのが、徳川家康といえるのではないかと感じた。あと徳川家光が少し好きになった。2016/03/16
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