内容説明
大国の興亡から友との別離、飲酒の宴、森羅万象を詠み込んだ膨大な唐詩の数々。古来、日本人の心を潤した唐詩を著者の該博な知識をもとに清明、七夕、秋雁、涼州詩など２４のテーマにまとめ、唐代人の暮らしと彼らが感興を催す様を彷彿とさせる形で紹介。名詩に終始せず、著名詩人の意外な詩や長く沈黙していた無名詩を甦らせる唐詩私選二四〇編。
目次
冬至から正月
立春
通俗詩
清明
牡丹
夏の詩
採蓮曲
七夕
中秋
重陽〔ほか〕
著者等紹介
陳舜臣［チンシュンシン］
１９２４（大正１３）年、神戸に生まれる。大阪外語大学印度語部卒業。同校西南亜細亜語研究所助手を勤めるが終戦によって辞職し、家業の貿易に従事。１９６１年、『枯草の根』により江戸川乱歩賞を受賞し作家生活に入る。６９年、『青玉獅子香炉』により直木賞、７０年、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』により日本推理作家協会賞、７１年、『実録アヘン戦争』により毎日出版文化賞、７６年、『敦煌の旅』により大仏次郎賞、８９年、『茶事遍路』により読売文学賞（随筆・紀行賞）、９２年、『諸葛孔明』により吉川英治文学賞、９３年、朝日賞、さらに９５年、「作家としての業績」により日本芸術院賞をそれぞれ受賞する。日本芸術院会員
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感想・レビュー
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金吾
23
○唐詩の区分けがおもしろいです。知らない詩も多いですが、解説がまた良かったです。「涼州詞」「盛唐の酒」が好みです。また著者は杜甫が好きなのだなあと感じました。2022/08/26
KAZOO
4
私は新潮社の雑誌「波」に連載されているころからの読者です。いつも通して読むのではなく、身近において時たまぱらぱらとめくっています。唐詩に関する歳時記のような感じで、季節や場所に関して分けてあります。私は中国に行ったことはないのですが、この詩を読んでいると景色やその季節が目に浮かんできます。2013/07/16
モリヤマ リン
1
正確には、何度も読み返している本。私が持っているのは、新潮文庫版なんです。いつのまに中公文庫に移ったのか。夏の詩で紹介されている李賀の「五月」が好き。「しゅうしゅうとして赤帝竜に騎りて来たる」平仮名だと可愛らしくなってしまうけどｗ2011/10/15
