出版社内容情報
下町の小さな印刷所が倒産。社長は夜逃げ、さらに「便利屋」が現れ、登記簿など持ち去った。少ない社員たちは、とりあえず印刷所をロックアウトして抵抗するが、謎の爆殺事件が発生し…。
内容説明
その小さな印刷所は倒産寸前だった。経営者と組合が団交を繰り返す中、ひとり、万里子は明日退職するつもりだった。二十歳を前に、自分の情熱と夢の先に向かうために。だが、団交の最中、暴力団の男たちが殴り込んできた。さらに騒動に紛れ「整理屋」が重要書類とともに社長夫妻を連れ去ってしまう。その略奪者のひとりに叔父の姿をみた万里子。叔父に詰めよる彼女だが、その直後、彼は謎の死を遂げた…。
著者等紹介
打海文三[ウチウミブンゾウ]
1948年東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。92年『灰姫 鏡の国のスパイ』が第一三回横溝正史賞優秀作を受賞し作家デビュー。03年には『ハルビン・カフェ』で第五回大薮春彦賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
90ac
41
倒産しそうな印刷所を狙った整理屋の手口など、読んでいるだけで自分が罠にかかっているようで恐ろしくなる。19歳にしてはヒロインは勇気があるな。伯父もその友人も癖のある小悪党なのに、物怖じしない。母親にしても伯父の友人真船の元妻にしてもここに出てくる女性は逞しい。悪党達を恐れていない。読むほうがハラハラする。打海さんの作品は6つ目だが、この作品はハードですね。でもラスト近くのヒロインと真船のやりとりが面白い。いい雰囲気。岩崎弘美の「聖母のララバイ」がホリー・コールの「トラスト・イン・ミー」に通じていたとは。2016/04/04
N・Toshi
1
アーバンリサーチシリーズ再読4冊目。前に読んだときは、登場人物が多くて複雑だったと書いていたけど、再読したらそんなことない。苦い娘って、「万里子、あかり、ひかる」のことか。2023/02/11
N・Toshi
1
登場人物が多くて、人間関係が複雑なので、スッキリ物語が入ってこなかったな。このシリーズは雰囲気が好きなので、退屈せずに読めたけど。2020/06/13
斧
1
時代背景のせいか、整理屋たる聞き慣れない職業のせいか、イマイチ物語にうまく入れなかった…。打海さん幻覚を取り扱う作品が多いのかしら?2015/04/26
palehorse82
1
やっぱり狂っていて、それでいて後味が良い。2014/09/18
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