内容説明
義和団事件後の北京。ドイツ軍本営の青年将校を尋ねて現れた美しく上品な娼婦は、かつて将校が伯林で薔薇を捧げた中国高官の夫人だった―(「非花」)。中国史の狭間に、凛と咲く花の如き女性達の運命を描く。連作短篇の傑作。
著者等紹介
井上祐美子[イノウエユミコ]
姫路市生まれ。神戸大学卒。『長安異神伝』『五王戦国志』などで人気を博した後、本格的な中国歴史小説に取り組み、『桃夭記』で吉川英治文学新人賞候補となる。清朝の礎を築いたドルゴンと清初の漢人武将・呉三桂の半生を描いた『紅顔』『海東青』、花に寄せた中国歴史短篇集『非花(はなにあらず)』など、斬新な切り口の小説を発表。歴史小説界に新風を巻き起こす期待の若手である
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