内容説明
小説を書く根拠、目的、方法について、様々な例を挙げながら、生き生きした口調でわかりやすく語りかける。自身が担い続けてきた使命や文学の未来について、熱く説く様は次世代への遺言ともいえる稀有な作品。『小説への序章』にはじまり、『情緒論の試み』を経て「小説とは何か」という問いに対する最終的解答ともなっている。
目次
1 小説の魅力―in love with 生命のシンボルに触れる(小説を書く根拠;ぼくの世界;「言葉」と「想像力」;生命のシンボル;上にいく力と下にいく力)
2 小説における言葉―Fact+fe`eling 言葉によって世界をつくる(小説は言葉の箱;心のなかを無にする;夏目漱石の『文学論』;物語(ストーリー)の原型
キャラクターとディテール)
3 小説とは何か―´ev´enement ある出来事をつくる(出来事をどう伝えるか;出来事とは何か;フィクションの意識;詩と根本観念と言葉;ピアニストがピアノを弾くように)
著者等紹介
辻邦生[ツジクニオ]
1925(大正14)年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。57年より三年半パリ大学に留学。63年、『廻廊にて』で第四回近代文学賞、68年、『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年、『背教者ユリアヌス』で第十四回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第三十一回谷崎潤一郎賞を受賞。99年7月29日死去
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