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中公文庫
石版東京図絵

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  • サイズ A6判/ページ数 293p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122043732
  • Cコード C1193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

107
東京の下町の情緒がしみじみと伝わってくる小説。神田に生まれた職人の男が主人公で、明治から大正、昭和までの庶民の生活が生き生きと描かれている。私の好きな山本周五郎や藤沢周平の市井ものと同じ味わいを感じた。青春小説や恋愛小説的な側面もあって、結末で年齢を重ねた主人公の由太郎が、若い時に心から愛した女性のことを思い出すシーンは切ない。時には非情ともいえる感性で人生の断片を切り取る短編を得意とする作者だが、この小説では過ぎ去った時代に対する郷愁が、柔らかな輪郭で表現されていると思う。2015/06/25

おとん707

11
永井 龍男は明治37年生。物語は明治後期から戦後まで神田に職人の長男として生まれ職人一筋に生きた由太郎の半生を描く。物語だが生い立ちから少年期までは永井の自伝かと思わせる。漱石の描いた明治末期は中上流階級が見た社会だったが、ここでは下町の職人の子であった永井自身の視線で時代の別の側面が描かれている。大工奉公以降の由太郎の半生は純粋な小説として展開する。時代は関東大震災を経て戦争へ。敗戦を経て今や彼は棟梁だがここに至るまでに家族を失い独りに。だが今や悟ったような職人の清々しさが漂う。後半は一職人の昭和史だ。2024/03/06

uchi93

1
神田・本郷界隈の大工の子供由太郎を通して、明治末期から大正昭和の人々の生活を描いている。現在はビルだらけで当時の面影はないのだろうと思う。2013/03/30

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