内容説明
軽妙にして変幻自在。名人が同じ噺を高みに上げていくかのように繰返し語り続けた著者山本夏彦。「春秋に義戦なし」「分際を知れ分際を」「何用あって月世界へ」など“タイトルの名人”の神髄が刻み込まれた作品。
目次
毒言独語(春秋に義戦なし;まずはめでたい結婚式;プウーと鳴る椅子;命ばかりはお助け下さい;おれお前あたしあなた ほか)
たった一人のキャンペーン(もとの個人にして返せ;ひとりで私はデノミする;だれも知らない「大取次」;年賀状くれる人くれない人;そもそもあるのか言論の自由 ほか)
著者等紹介
山本夏彦[ヤマモトナツヒコ]
大正4年、東京下谷根岸に生まれる。十五歳で渡仏し、ユニヴェルシテ・ウーヴリエールに学ぶ。二十四歳のとき『中央公論』に「年を歴た鰐の話」の翻訳を発表する。戦後、工作社を設立し、雑誌『木工界』(現『室内』)を創刊。同誌に「日常茶飯事」、『文芸春秋』に「愚図の大いそがし」、『諸君!』に「笑わぬでもなし」、『週刊新潮』に「夏彦の写真コラム」を連載、最期まで書き続けた。昭和59年に「世相を諷刺しながら真の常識の復権に寄与した」として菊池寛賞、平成2年に『無想庵物語』で読売文学賞、平成10年に市川市民文化賞を受賞した。平成14年10月死去
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感想・レビュー
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まるめろ
6
自分は損をした気になり、他人は得をしたように見え、大人から見た若者たちは馬鹿になっていき、失業に怯えながら上がった物価に困っている。そんな世間を愛と皮肉で研いだ視点で解くコラム集。はっとさせられる内容も多々あった。2020/02/21
tatskato
1
この本に書かれているようなことを、始終口にしていてはとても生きにくくなるだろう。でも、腹の中は常にこういうスタンスでありたいと思った。2010/09/23
ちるちる
1
著作権延長に反対する氏の論が、私見のかぎり今までにない持っていき方で、著作権者には悪いが妙に納得してしまった。2010/03/21
Bibibi
1
眼光鋭し!2007/08/22