内容説明
昭和十七年一月、海軍省より報道班員に任命された著者は第六戦隊旗艦、巡洋艦青葉に搭乗し、遙か南洋の最前線へ向かった。少年科学雑誌の人気作家であり、科学者でもあった著者ならではの視点で、海軍生活をリアルに綴ったドキュメント性豊かな従軍記録小説。
著者等紹介
海野十三[ウンノジュウザ]
1897年徳島生まれ。早稲田大学理工学部卒業。電気試験所に勤め無線通信の技術開発に従事する傍ら、科学雑誌に解説を多数執筆し、技術専門書を刊行した。初のフィクション『ラジ夫と電子王の話』を発表後、海野十三名で処女科学小説『遺言状放送』を発表、「電気風呂の怪死事件」や「地味井先生の秘密」などで人気を博す。探偵雑誌「シュピオ」を創刊、その他の作品の映画化や舞台化など次々と話題を攫った。1941年、海軍省より海軍報道班員に任命され、南方に派遣されカビエング島攻略やラバウル初空襲を経験したが、デング熱と肺結核を煩い帰還。原爆投下直後一家心中を謀るが断念し、1949年結核のため逝去。享年五十一歳
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感想・レビュー
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ikedama99
5
積読本から脱出。様子が見えるような書き方。せまってくるものもある。また、昭和17年の前半のようなので、わりとのんびり感もある。それだけに、時折入る戦闘の状況は、雰囲気をがらりと変えてくれる。報道班員の姿が見えた。2019/08/06
泥岳
3
我々ミリオタというのは(少なくとも私は)艦艇の姿や性能は知っていても、其の内部の構造や乗員の生活に関しては殆ど知らない。有名な将官の名前や戦歴は知っていても下士官や古参士官に関しては全くイメージが付かない。そういう空白を埋めてくれる良著だろう。2014/07/15
メイロング
2
太平洋戦争+文庫は読みにくい印象だけどまったくの杞憂。戦闘など激しいシーンはないが、艦の中の人たちの生活感がつまっている。戦記ものだから華々しい戦果か、悲惨な戦争の末路しか描いていけないわけじゃない。このあたり「南の島に雪が降る」と似ている。艦これ副読本にぜひ。でも意外と古書店でも見かけない。復刊してほしいなあ。2018/12/21
ひろただでござる
0
とてものんびりした従軍記。2015/05/22
276
0
割と暇な重巡青葉での45日間2014/03/11
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